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ダイヘン、EV「マルチマテリアル化」対応

(株)ダイヘン

樹脂と金属の異材接合技術を開発

 ダイヘンは伸長著しいEVの車体軽量化ニーズに応える「樹脂と金属」の異材接合技術を開発、2023年の製品化を目指す。
 航続距離の延伸をはじめとした性能向上に向け、多くの自動車メーカーがEVにおける車体軽量化に着手。超ハイテン材やアルミ材、樹脂などさまざまな材質を活用したマルチマテリアル化が進んでいる。なかでも樹脂が車体構成に占める比率は2020年から2030年にかけて倍増すると見られており、適用範囲もルーフやフード、パネルなどへの拡大が予想されている。
 現在、樹脂と金属の接合には接着剤やカップリング材を用いた接合法やリベットによる締結が用いられている。だが前者には乾燥工程や廃液処理対策が、後者には副資材コストや重量増が課題となっている。また射出成形による直接接合も提案されているが、専用金型が部品ごとに必要となるほか、形状や大きさに制約がある。
 これらの課題を解決する新たな接合成形として、同社ではレーザを用いた異材接合技術を開発。難接合樹脂のPP(ポリプロピレン=ガラス繊維補強タイプ)や工業分野で広く利用されているPPS(ポリフェニレンスルフィド=ガラス補強タイプ)と超ハイテン材SPFC980鋼の安定的な線接合を可能にした。
 引張せん断試験においては樹脂母材破断を実現したほか、レーザ照射条件と加圧条件を調整することで様々な組み合わせの樹脂と金属の接合を可能にする。
 「治具による強固な固定が不要で、既設の生産ラインへ容易に適用できる」(同社)。

(2022年6月25日号掲載)