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水回り設備の「取付のみ依頼」、「費用の不透明さ」という課題浮彫

投稿日時
2026/09/04 09:00
更新日時
2026/09/04 09:00

水回り製品の交換において、インターネット通販や家電量販店、ホームセンターの普及に伴い、製品本体をユーザー自身で購入し、取り付け施工のみを専門業者に依頼する「施主支給」的な購買スタイルが定着しつつある。しかし、購入と施工を切り離すことで、消費者が新たな不安やハードルに直面している実態も明らかになった。  


水道修理サービス「とうきょう水道職人」などを全国で運営するNVision(本社:広島県広島市)は、過去3年以内に自分で水回り製品を選んで購入した経験を持つ200人を対象に意識調査(オンラインアンケート調査)を実施した。調査結果からは、消費者のリアルな購入実態とともに、施工のみを依頼する際の最大の障壁が「費用の不透明さ」にあることが浮き彫りとなっている。  

まず、過去3年以内に購入または検討した水回り製品(複数回答)について尋ねたところ、最も多かったのは「シャワーヘッド」で41.0%に達した。全体の4割以上を占めて突出したトップとなった背景には、節水機能や水圧調整、美容・浄水効果などを備えた高機能製品の充実がある。加えて、特別な工具や大がかりな配管工事を必要とせず、手軽に交換できる点が購買意欲を後押ししていると考えられる。  

 次いで、「温水洗浄便座(ウォシュレット等)」が23.0%、「キッチンの蛇口」が22.5%、「洗面所の蛇口」が18.0%、「浴室のシャワー水栓」が16.5%、「浄水器・浄水栓」が15.0%と続いた。これらは日々の使用頻度が高く、水漏れやレバーの操作性低下といった経年劣化や使いにくさをきっかけに、利便性向上や衛生環境改善を目的に買い替えが検討されやすい設備群である。  

一方で、「トイレ本体」(14.5%)や「給湯器」(11.5%)、「洗濯機の蛇口」(10.5%)などの設備は1割前後に留まった。これらは専門的な工事が必要不可欠となるため、製品選定の段階から施工業者へ相談・一任するケースが依然として主流であると推察される。なお、設置環境が限定される「ディスポーザー」は6.5%、「井戸などのポンプ」は3.0%にとどまった。  

次に、本体は自ら購入し「取付のみを水道修理業者に依頼したい製品」(複数回答)を聞いたところ、購入検討の傾向とは大きく異なる結果が示された。  

最も高かったのは「温水洗浄便座」と「トイレ本体」で、ともに38.5%を占めて同率1位となった。さらに「給湯器」が36.5%で続いている。これらの製品は、ネット通販等で機能や価格を容易に比較・選定できる一方、給排水管の確実な接続や既存設備の撤去、電気・ガス等の専門資格を伴う作業が発生する。万が一の設置不良や漏水事故が生活に直結するため、「本体費用は抑えつつも、設置作業は確実なプロに任せたい」という安心・安全を重視するニーズが表れている。  

水栓類においても「キッチンの蛇口」(25.5%)や「洗面所の蛇口」(20.0%)、「浴室のシャワー水栓」(19.0%)、「洗濯機の蛇口」「浄水器・浄水栓」(各15.0%)で一定の依頼希望が集まった。蛇口周りはデザインや機能の選択肢が多い反面、規格や接続部の適合確認が難しいため、DIYを避けて専門業者を頼りたい層が一定数存在する。対照的に、購入検討で最多だった「シャワーヘッド」は140%に留まり、自力交換の容易さが反映された形となった。

■懸念は技術力ではなく「費用の不透明さ」

消費者が本体持込で「取付のみ」を依頼する際、どのような点に強い不安を感じているのだろうか。不安要素(最大2つまで選択)を調査したところ、トップは「取付作業費の目安がわからない」で33.5%に上った。  

続いて、「自宅の設備や配管に適合するかわからない」(30.0%)、「持ち込み品でも取付に対応してもらえるかわからない」(21.5%)、「追加で必要な部品があるかわからない」(18.5%)、「工事後の保証や不具合対応の範囲がわからない」(15.0%)が上位を占めた。  

ここで注目すべきは、「施工品質に不安がある」と回答した人が7.5%1割にも満たなかった点である。消費者は業者の技術力そのものを不安視しているわけではない。それ以上に、「総額でいくら必要なのか」「選んだ商品が自宅に取り付けられるのか」「当日に追加料金が発生しないか」といった、費用感や事前条件の不透明さに強い抵抗を感じているのが実態だ。  



(日本物流新聞2026825日号掲載)