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急速冷凍が人手不足解消に寄与

厨房向けのコンパクト冷凍機

 コロナ禍を経て食品の冷凍ニーズが高まりを見せている。2003年から急速冷凍装置の開発・製造を手掛けるコガサン(山口県下関市)は、当初から食品の冷凍品質を追求し、急速冷凍機に独自技術を付加した特殊冷凍分野に強みを持つ。同社専務取締役の古賀健太郎氏に独自技術やFOOMAの出展内容について聞いた。
 ??コロナ禍を経て冷凍食品のニーズは高まりを見せていますね。
 「コロナ禍にはライフスタイルが急速に変化し、冷凍食品需要が大きく伸長した。市場統計と同様に当社にも強い引き合いがあった。現在もコロナ禍以前から家庭内の冷凍食品への支出は右肩上がりで伸長してきたことや、無人販売・自動販売機で冷凍食品を販売するといった新たな動きも一定程度定着したため、需要は高い状態が継続している状況」
 ??貴社の急速冷凍機の強みは、食品品質を落とすことなく冷凍保存できる3DフリーザーとACVCSという技術ですね。
 「3Dフリーザーはその名の通り3次元的に冷風を食品に当てることで、ムラなく冷却・冷凍することができるもの。独自技術であるACVCSAnti Cycle Vibration Cold System、非貫流熱交換方式)は熱交換器に庫内空気を強制貫流させず間接的熱交換を行う技術。空気中の水分を奪うことがなく、庫内湿度の高湿度化を実現する。それらの2つの技術をかけ合わせることで、食品の水分量を保ちながら食品ドリップの原因となる氷結晶の肥大化を抑制できる。水分量が多くこれまで難しいとされてきた食材も、冷凍前とほとんど変わらない状態で加工・保存できるため、収穫量の変化や季節波動による販売時期の集中などに対応しやすい。また、間接的な熱交換を行うことで、熱交換器への霜付きを抑えることができ、省エネ・省力化にも寄与する」
 ??省エネや省力化にも寄与する。
 「熱交換器に庫内空気を強制貫流させないということは、熱交換器への霜付きを抑えることに繋がる。一般的な急速冷凍機に比べて霜付き量を約3分の1に抑えられる。霜が付くと熱交換器の稼働効率が低下するため、3時間ごとに霜取り作業を行う必要のある現場もあり、当社の製品はそうした省エネ・省力化の観点からも好評いただいている」
 ??ラインナップも豊富ですが、FOOMAではどの機種を訴求しますか。
 「昨年度のグッドデザイン賞を受賞した急速冷凍冷却装置『3Dフリーザー トレーインタイプ・シリーズ』がイチ押し。これまでは食品加工工場向けが中心であったが、本製品は小規模レストランの厨房などでも使用できるコンパクトさがウリ。ご存知の通り外食産業は人手不足で、急速冷凍技術を活用すると上述の通り季節や時間ごとの変動を吸収しやすい。当社の製品は温かい食品もそのまま冷凍できる。時間があるときに提供する一歩手前のところで冷凍保存しておくことで、注文を受けてからの提供時間を短くでき、混雑時を基準に人材を多く確保する必要がなくなる。是非、会場でサイズも含めご覧いただきたい」
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(写真=コガサン 専務取締役 古賀 健太郎 氏)

2024525日号掲載)