取適法、価格協議が増加約50%
- 投稿日時
- 2026/04/28 09:32
- 更新日時
- 2026/04/28 09:33
製造業で顕著
Sansanは、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(以下、取適法)の3カ月後における企業の対応実態を明らかにするため、受注者(中小受託事業者に該当する企業に勤め、受託業務を担当する会社員)743人および発注者(委託事業者に該当する企業の法務担当者)143人、計886人を対象に「取適法施行後の実態調査」を実施した。
受注者に対し、取適法施行後に価格協議が増加したかを尋ねたところ、「増加した」と回答した割合は43.2%となり、「変わらない」と回答した割合が56.8%と約6割を占めた。価格協議が推進され始めている一方、まだ変化を感じていない担当者が多い状況がうかがえる。
続いて「価格協議の機会を増やすために、重要だと思うこと」を尋ねた。前問で取適法で価格協議の機会が「増加した」と回答した層では、65.1%が「契約書、発注書などで取引条件を確認できるようにすること」を挙げ、最多だった。一方、価格協議の頻度が「変わらない」と回答した層は、同項目について52.1%が重要項目として挙げており、10ポイント以上の差が生まれた。
取適法では「書面での取引条件の明示」を定めているが、明示するだけにとどまらず、「管理・可視化」をすることが価格協議を推進するうえでの重要な基盤であることが示唆された。
受注者に対し、「これまでに、契約書や発注書など取引条件を明示した文書が手元にないために価格交渉をためらった経験があるか」を尋ねたところ、72.1%が「ある」と回答した。価格協議を進める意思があっても、契約情報へのアクセス環境の不備が交渉の障壁になっている実態が浮き彫りとなった。
回答者である受注者(中小受託事業者に該当する企業に勤め、受託業務を担当する会社員)のうち、製造業に勤める312人の回答を抽出すると、取適法施行後、受注者の49.4%は価格協議が増加し、全業界平均より高い。価格協議が増加した層では、協議を増やすために重要なことは「契約書や発注書を確認できるようにする」ことが66.9%と最多。受注者の80.4%が「契約書や発注書が手元になく、価格交渉をためらった経験」があるとしている。
(日本物流新聞2026年4月25日号掲載)