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北川鉄工所、自動化提案の新組織が本格始動

投稿日時
2026/04/27 16:02
更新日時
2026/04/27 16:15
スマートソリューション推進室・設計室では、チャックだけでなくNC円テーブル、バイス、ロボットハンド、そしてクランプ治具、そして関連する周辺機器まで一括提供する

複雑な自動化案件に応える布陣、名古屋に

製造現場の自動化・省人化が急務となる中、旋盤用チャックで国内過半のシェアを持つ北川鉄工所が、名古屋で新たな挑戦を本格化させている。同社は昨年春、培ってきた製品力とカスタマイズチャックへの対応力を統合した「自動化ソリューション室」を設置。さらに人員を増やし、この4月からは設計と営業がシームレスに連携できるよう組織の壁を越えた「スマートソリューション推進室・設計室」へアップデートした。

北川鉄工所は、これまでの旋盤用パワーチャックやNC円テーブルといった製品単品を供給するビジネスから踏み出し、周辺設備を含めた自動化システム全体をデザインして提供するソリューション提案への転換を進めている。その最前線として名古屋に「スマートソリューション推進室(以下、SS推進室)」を置き、この春から本格始動している。

SS推進室は、旧来の部門間の壁を取り払い、異なる専門性を持つ人材を統合した「タレントミックス」の精鋭部隊。拠点を指揮するのは、営業技術出身で本社と名古屋の両輪を見る三次(みつぎ)宏和室長。そして自動化ニーズの最前線で陣頭指揮を執るのが、前職でロボットSIerに近い経験を持つ江坂勇始課長だ。そこに2006年以来2万件以上のオーダーメイド実績を持つ「カスタマイズチャック」の設計を手掛けてきた門田(もんでん)敦憲設計室長が加わり、営業技術と設計がシームレスに連携できる体制を整えた。SS推進室・設計室は名古屋と広島本社に拠点を置いている。三次室長・江坂課長率いるSS推進室は合計10名、門田室長率いるSS設計室はキタガワ製品それぞれの設計者が合計25名在籍している。

「工作機械のセットアップや治具設計の現場を知るメンバーと、当社の強みである『つかむ』と『回す』の設計者で、単品売りだけでは限界があったユーザーの複雑な自動化案件に応えられる布陣が揃った」(三次室長)。

なぜ活動の拠点を名古屋にまず置いたのか尋ねると、「自動車・航空機産業が集積する愛知県は要求水準が高く、厳しいコスト意識と高い技術力が求められる。この地で揉まれることが、自分たちのレベルを引き上げる最適の道。経験豊富な人材が集まりやすいのも魅力」と三次室長は答えた。実際に、この1年で名古屋出身で地場のネットワークに強い江坂課長と、即戦力になる人材1人を採用し、順調に人材獲得ができた。

■ 「キタガワならではの製品」を武器に

「チャックと円テーブルの双方を自社で手掛けるメーカーは多くない、そこにキタガワの強みが出る」と語るのは門田室長。「カスタマイズチャックにおいても、応力解析や変位解析、干渉確認を実施し、理論的エビデンスに基づいた最適な把握・加工提案を行ってきた。豊富なカスタマイズ経験を活かし、円テーブルにゆりかご治具やクランプ機構を高度に組み合わせた提案にも納入実績がある」。SS推進室ではさらに自社のロボットハンドを活用したワーク搬送や機械のセットアップへと領域を拡大。設計全体に統一感を持たせられ、システム全体のコンパクト化と無駄のない構築をウリにする。「一つのメーカーが一貫して対応することで、打ち合わせの手間を省けるだけでなく、最終的な加工精度や品質の向上や導入後のメンテンナンス性向上に直結する」と江坂課長は胸を張る。同室への引き合いは、中部圏の主要産業に留まらず、西日本や北関東など、広範な業種へと波及し始めている。

また、SS推進室を通して得た現場の声は、新製品開発にもフィードバック。「過去にもカスタマイズチャックを通して届いたニーズに応え、好調な半導体産業に向けた、脆性材把握ができる『低把握力チャックVSPシリーズ』が誕生した好例もある。現場起点での開発により、価格競争に陥らない『キタガワならでは』のユニークな製品を生み出していければ」と独自のソリューション強化を図る。

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スマートソリューション設計室 門田 敦憲 室長

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【写真左】スマートソリューション推進室 三次 宏和 室長

【写真右】スマートソリューション推進室 江坂 勇始 課長



(日本物流新聞2026425日号掲載)