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【猛暑対策展レポート】現場を冷やすから、人を冷やすへ

投稿日時
2026/08/10 09:18
更新日時
2026/08/10 13:18
山善の屋外設置可能な「熱中対策シェルター」

見て、触れて、涼しさを実感

気温40℃を超える危険な暑さが各地で相次ぎ、猛暑はもはや「災害」の一つとして語られるようになった。昨年6月には職場での熱中症対策が罰則付きで義務化され、暑さへの備えは個人から企業・社会全体の課題へと広がっている。こうしたなか、7月に東京ビッグサイトで開かれた「猛暑対策展」には、最新の暑熱対策製品が一堂に会した。


717日までの3日間、東京ビッグサイト東78ホールで開かれた第12回猛暑対策展は(労働安全衛生展、騒音・振動対策展、におい対策展を含む)、191社・376ブースと過去最大の規模となった(前回展は119社、222ブース)。会場には、身につける、飲む、持ち歩くといったグッズから、空間そのものを冷やす設備まで、あらゆる暑さ対策が並んだ。

水冷服やスポットクーラーなどで、暑熱対策市場を切り開いてきた山善 家庭機器事業部は、4つのテーマ「作業者の体を冷やす」「作業空間を冷やす」「休憩スペースをつくる」「緊急時」を掲げた。同事業部 商品企画3部の尾崎友章部長は「点ではなく面で提案することを意識した」と狙いを話し、作業現場を丸ごと支える品ぞろえで、来場者の関心を喚起した。

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山善 家庭機器事業部 商品企画3部の尾崎友章部長

中でも注目を集めたのが「熱中対策シェルター」だ。移動式の簡易休憩スペースで、屋内用・屋外用をそろえる。「屋外に設置できる簡易テント型の商品はおそらく我々が初めて」(同商品企画4 安栗正和MD)という。

尾崎部長が「現物を見るだけでなく、実感できる展示を意識した」と語る通り、今年から新設置された屋外の体感エリアにも出展。炎天下に近い環境でシェルターの涼しさを試せるようにし、隣には熱中症の応急対応に使う「エマージェンシープール」を並べて、休憩から救護までを一続きで見せた。「お客様の生の声を聴けたので、我々自身も商品対する自信にもつながった」と手ごたえを話す。

今年の夏物市場について、尾崎部長は「6月頃までは長梅雨の影響で伸び悩んだが、7月に入り、ようやく夏らしさが出てきた」と話し、「目標である前年度比130%の売上達成に向けて邁進していく」と力強く答えた。

■ウェアも空調も、「狙って」冷やす

建設業を中心に様々な現場用品を取り扱う昭和商会も、特徴ある製品で来場者の足を止めた。ペルチェ素子を使用した「THERMAFIX PLTプロフィット ベスト」は、立体構造のベストと新開発のペルチェデバイスを組み合わせたフィット感のある冷感衣類。担当者は「冷やす機能自体は、どこも大きくは変わらない」と前置きしたうえで、差別化の鍵として挙げるのが「スペーサーリング」だ。ペルチェの排熱口にはめるリング状の部品で、上からファン付きウェアやフルハーネスを装備した際も、側面からの排気を可能にする。他にも、前身頃のチャック位置をあえて中心から右胸側にずらすことで、バッテリーの収納位置が中心に来る工夫など、業界に先駆けてペルチェ素子の活用に取り組んできた企業ならではのノウハウを盛り込んだ。

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昭和商会の冷感衣類「THERMAFIX PLTプロフィット ベスト」

既に各所で導入が進んでいるスポット空調にも、新しい風が吹いている。ピンポイントに風を送る技術と最新の画像認識技術を掛け合わせたのが、大気社が朝日機器と共同開発した人追従吹出口システム「FOLLOAS(フォロアス)」だ。吹出口のカメラが作業者の頭部をとらえ、2つのモーターで向きを変えながら、人のいる場所へピンポイントで風を届ける。「本システムは直径5㍍の範囲を追従するため、作業者が動いても無駄なく冷風を届けられる。複数台を連携すれば、設置台数の削減にもつながる」(同社担当者)という。

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大気社の人追従吹出口システム「FOLLOAS(フォロアス)」

既に大手自動車メーカーの工場などへ約200台販売しており、発売から2回目の夏を迎えた今年はリピート採用や工場全体への展開などが進んでいるという。会場ではダクト設置のない場所にも据えやすいユニット型も初披露した。

折しも会期直後の728日、真夏の熊本を最大震度7の地震が襲った。停電や断水のなか、涼を確保する技術の重みは増している。



(日本物流新聞2026810日号掲載)