工作機械の脱炭素化、鮮明に

レーザ加工機を用いた省エネ提案を加速させるのがヤマザキマザックだ。昨年10月に発売した3次元ファイバレーザ加工機「FG-220」に続き、2月には2次元ファイバレーザ加工機「OPTIPLEX 3015 NEO」の販売を開始。得意のファイバレーザ技術を用いた新型機を相次いで発表している。

【画像1】タイトルイメージ
【画像2】ジェイテクトが4月4日に発売した小型の円筒研削盤「4シリーズ」。刷新する円筒研削盤の第1弾だ。
【画像3】ヤマザキマザックのファイバレーザ加工機「OPTIPLEX 3015 NEO」

周辺機器によるアプローチも

広く知られた通り、ファイバレーザ発振器はCO2レーザと比べエネルギー変換効率に優れ、消費電力の大幅な低減が期待できる。実際に15kWの高出力ファイバレーザ発振器を搭載したOPTIPLEX 3015 NEOは、軟鋼の切断速度を従来機種(ファイバレーザ)と比べ最大76%向上させつつ、消費電力としては従来機種(CO2レーザ)と比べ約60%の削減を実現。切断時に使用する窒素ガスの消費量も従来機種(ファイバレーザ機)と比べ最大85%低減するなど、環境負荷の抑制に焦点を当てた製品に仕上がっている。

一方、円筒研削盤の省エネ性能を高めたのがジェイテクトだ。同社は2月28日に、主力の円筒研削盤シリーズのリニューアルを発表。品質を重視した「L」タイプや従来機から価格を約2割下げた「B」タイプなど、用途に応じた5つの機種を展開するとした。

同日、ジェイテクトが明らかにしたのが円筒研削盤の新シリーズの省エネ性能だった。「従来、昼休みや直間にクーラントやといし軸をOFFにすることは温度低下の観点から難しかった」(同社)というが、新シリーズには加工開始時間に合わせた短時間での暖機運転機能を実装。非加工時間における電力使用量の大幅な削減を実現する。その効果は高く、研削抵抗を抑える新たなといしの採用とあわせ、「従来機種比で消費電力を約40%低減する」(同社)という。

こうしたクーラント関連は、加工全体の電力消費のうち3割程度を占めると言われ、実は加工工程全体における省エネにも影響が大きい。そうした観点でDMG森精機が提案を強めるのが、いわゆる加工三悪(切りくず・クーラント・ミスト)の対策だ。

昨年にはビルドインタイプのミストコレクタ「zeroFOG」を発売。8月に行われた決算会見でも、同社の森雅彦社長が「(zeroFOGは)非常にコンパクトかつ省エネでクリーンな環境を生み出せる。なぜ今まで気づかなかったのかと思うほど絶大な効果を出すことができ、SDGSや脱炭素に対応する自慢の製品」と力を込めた。

zeroFOG以外にも同社は、機内カメラで撮影した切りくずの堆積状況をAIが認識し、機内を効率的に洗浄する「AIチップリムーバル」など加工三悪の対策製品を提案している。AIチップリムーバルを用いることで、切りくずが少ない時にはクーラント吐出を停止。クーラントポンプの消費電力を削減することが可能になるという。工作機械における省エネを図るうえでは、こうした周辺機器も含めた対策も重要になりそうだ。

(日本物流新聞 2022年3月25日号 掲載)

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