モノづくり入門
【第43回】いまさら聞けないモノづくりの基礎知識
DXモノづくり ――昨日・今日・明日――(2)
- 投稿日時
- 2026/08/25 16:24
- 更新日時
- 2026/08/25 16:28

モノづくりに欠かせないDX(デジタルトランスフォーメーション)を昨日・今日・明日と3回に分けて見ていきます。前回はDXのレベルの変遷も頭に入れ、「昨日」の位置づけでDXの広がりや日本における課題を概観しました。
2回目の今号は「今日」のDXに迫りたいと思います。
まず「AX」に着目してみましょう。DXのDをG(グリーン)やS(サスティナビリティ)などに置き換える〇Xがいくつもあり筆者などは半ばうんざりしていますが、関心度でいえば2年ほど前からチラチラ表に出てきた「AX」がいまホットなワードでしょう。
すなわちAXとはAIによる変革を指します。「AXはDXを一歩進めた概念」としても注目され、一面、CRM(顧客管理マネジメント)やナレッジ系ソフトなどを代替する流れもみられます。先に閣議決定した政府の骨太方針ではAXを「成長の加速装置」に位置付け、人工知能戦略本部の設置や地域の中堅・中核企業へのAX導入を強く謳っています。それにいま変革の源泉を聞けば、多くがAIと答えるでしょう。AIは自律性を持つとともに、画像や文章など二次元世界のみならず、AIロボットが3次元リアル世界で自律作業を行うまでに進化しました。
結論的に、AIがマストで絡むのが「今日のDX」といえます。
自社技術の応用域拡大と戦略改革をAIを通じて実施し成功した例。財務諸表の高度分析を実現した例などAIによる成功例はいくつもあります。ただ一方では毒にもなり、また情報漏洩などいろんな危険性を孕むAIを規制する流れもあり、判断が分かれることとなっています。
積極活用の視点でいえば、AI/DXを武器にすることが第一です。つまり実務に活かすこと。経営方針に沿った「AI人材養成」が問われます。機能制限のある無料版AIで事足りるか。各種生成AIの特長や優劣はどうか。正確性や安全性は、優れた利用方法は、など学ぶことはいっぱい。モノづくりにおいては自社の「こだわり・特色」をAI/DXで強化することも肝要です。「短期メリットを見出しながら中長期の変革につなげることが大切。成果が出ない間も耐えて取り組むことが大事」と、電機大手のデジタル関連役員が強調していました。
やはりAX?
AIを前提として社会や産業、教育の在り方を再構築する時代に―とは今年7月閣議決定の骨太方針のなかの一文。イノベーションと成長投資を軸に「両者を貫く成長の加速装置として、我が国の強みを最大限に活かしたフィジカルAIの構築を軸とするAIトランスフォーメーションを全産業で加速する」などと記しています。「省庁横断でAX/DXを実行する」等の文言も散見され、やはり時代はAXに?―大事なのは言葉ではないけれど。
(日本物流新聞2026年8月25日号掲載)