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パワーツールの新領域

投稿日時
2025/04/28 13:04
更新日時
2025/04/28 13:23
京セラインダストリアルツールズの新型工具は、軽量かつハイパワーで負担の大きい現場で活躍する

電動・エアー・油圧ツールが起こす現場変革

人材不足や人件費の上昇、人材の多様化、高年齢化など、年を追うごとに深刻化する「人」にまつわる課題。特に人の手を介する作業には、より生産性を、負担軽減を、と求める声も切実だ。本特集ではパワーツールの性能向上や新たな機能の付与、あるいは新型工具の開発などパワーツールのポテンシャルを引き上げる取り組みに着目。各社が力を入れるイチ押し製品を紹介する。

建設業界では都市部の再開発や、老朽化が進む公共設備の改修工事の増加など、需要に追い風が見られる。自動車産業では組み立てや生産に精密で高効率なツールが求められるなど、パワーツールに対する期待は大きい。

国土交通省が4月11日に公表した建設工事受注動態統計調査報告(令和7年2月調査・以下同)では、元請受注高と下請受注高を含めた受注高が9兆2695億円と、前年同月比8・1%増加した。11カ月連続の増加となり市場の拡大が続いている。工事種類別で見ると機械装置等工事が大きく伸長し、5カ月連続の増加。また民間などからの受注工事では、建築工事及び建築設備工事の受注工事額が1兆2548億円と、同17.9%増加となっている。需要は大きな伸長を見せるが、3月末公表の建設労働需給調査結果では、全国で土木の型わく工やとび工、鉄筋工、電工や配管工の8職種において0.3%の不足と人材不足傾向が依然として続いている。残業・休日作業を実施する現場数は2.4%と、前年同月と比べると減少はしているものの、理由として挙げられる「前工程の工事遅延」は対前年同月を6.5%上回っている。豊富とは言えない人員で、限られた工期での施工を余儀なくされている現状がうかがえる。

技術革新や新設計の工具の追求など、現場の生産性向上にくまなく取り組んでいる各メーカーの努力により、パワーツールの進化が止まることはない。また粉塵や重作業が伴う過酷な現場でもフルパワーを発揮できるタフさも備えてきた。京セラインダストリアルツールズは、新たな視点を取り入れた新型電動工具をこの春上市(下に詳細記事)。研磨材メーカーの柳瀬が生み出したコードレスサンダーは研磨の総合力を尽くし、売上も好調だという(次面にインタビュー)。新たな領域に果敢に挑むパワーツールが現場を打開していく。






京セラインダストリアルツールズ、
小型軽量ハイパワー×省エネの新型AC電動工具

使いやすさで金属加工の現場を変える


京セラパワーツール_Lシリーズ集合image.jpg

コントローラーを電源に接続し、制御回路を備えたコントローラーと各種工具を脱着ケーブルで繋ぐ

軽量化や高出力、エネルギーコストの削減…、京セラインダストリアルツールズは生産性向上や加速する脱炭素の取り組みなど、現場の悩みに解を出す次世代の電動工具「Lシリーズ」を生み出した。電動工具の可能性を広げる同製品を核に、ソリューション営業への切り替えを目指す。

京セラインダストリアルツールズは、新システムの電動工具で金属加工市場に切り込む。

4月に発売した「リンクコントロールシリーズ(Lシリーズ)」はブラシレスモーター(工具)から制御回路を分離し、専用ケーブルで繋いだ「独自の新発想」による電動工具。軽量・コンパクトな工具と、高出力で作業効率を上げる。エアー工具と同等のサイズ感でパワフルさを備えており大型コンプレッサーが不要になることで、大幅な電気使用量削減を叶える点も大きなメリットだ。

「経営者はいかにして脱炭素や省エネを果たすか。現場作業者は作業の負担を少なく効率的に作業を行いたい。Lシリーズは経営者と現場の悩みを解消する、既存製品とは異なる新しい電動工具。提供するスペックやサービスは、金属加工の現場ユーザーにヒアリングして具現化したもの」(営業事業部第一営業部責任者 山本哲史氏)とし、「購入後もお客様にサービスを提供していくことに力を入れる。製品を売って終わりとなっていた着地点を伸ばす」とソリューション提案への転換としての役割も担う。

コントローラーは接続口数1口と4口の2タイプを用意、「4口タイプは一人が複数の工具を持ち替えて使う現場も多くユーザーの要望を盛り込んだ」。脱着ケーブルは5、10、20、30mの4種類を用意。工具は砥石外径100㍉と180㍉のディスクグラインダー、10mm幅のベルトサンダー、パッド径123mmのダブルアクションサンダーを取り揃え、製缶業や造船業など業種に応じ工具を選べる。今後さらにラインナップを追加し様々な金属加工業の現場に対応していく。

「長時間作業になるグラインダーなど、軽量化や握りやすさの改善ニーズは多いが、必要な部品数は変わらないため限界があった。ブラシレスモーターの制御回路を工具本体から分離し、コントロールボックスに格納することで工具サイズをぐっとコンパクトにでき、持ったときのバランスにも配慮した」。

Lシリーズは、スマホ用の専用アプリで工具の制御情報を最新の状態に更新。さらに、工具の状況や対処方法も確認できる。今後、ユーザーの要望に合わせて新たな機能を備える予定だ。

■長時間作業もこなせる高出力と使い心地

「造船や橋梁、鉄骨関係などの長時間の上向き作業は非常に重労働。径180㍉のグラインダーを手に持ってもらうと『こんなに軽いの?』と驚かれる」と話すのは事業推進事業部広報デザイン課責任者 青木一夫氏。「さらに使ってみると、エアー工具や高周波工具と同等のハイパワーで二度驚かれる」と自信を表す。フィードバック制御により、電圧を制御し負荷がかるとパワーアップして研削力を維持、回転数の落ち込みを抑え、きれいな仕上がりを実現する。

アルミケースで覆った新開発の密閉ブラシレスモーターは、粉塵(鉄粉)が入り込まず、耐久性も高い。密閉によりこもる放熱が気になるが、熱伝導材による放熱効果など工夫が凝らされている。

「外観からの印象以上に、実際に使っていただくとより軽く感じ、重量バランスの良さと使い心地に満足してもらえる」(青木氏)と、新感覚の使いやすさを届ける。山本氏は「あらゆる長所を取り入れ総合力に秀でた、業界を変えていく製品」と大きな期待をかける。

「手に取って使ってみて、これまでにない良さを知ってもらいたい」と訴求にも力を入れる。「電動工具1種類とコントローラー、コードも併せて新品で1週間お貸しします。その間に気に入っていただけたら、特別価格でそのままお使いいただけます」(山本氏)と現在、発売記念モニターキャンペーンを展開している。






ロブテックス、待望のコードレスナッター

スペック・デジタル両面で進化


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コードレスナッターN1B1はエアー式と同等の性能を保持し機能を拡充した

ロブテックスが昨年12月に発売したコードレスナッター「N1B1」は、待望の新製品として登場した。動力ありのナッターでは同社として約10年ぶりの新製品。「手ごたえは?」とたずねると、ファスニング事業部ファスニング営業チーム担当責任者の石井大介氏は「めちゃくちゃ良いです」と即答する。「初回ロットも順調に売り切れた。やはり待望と言うか、ユーザーが望む機能を数多く実装したのが大きいです」

薄板にネジ山を取り付けるナッターはリベッターなどその他の動力工具より高い出力が必要で、コードレス化しつつスペックを満足させるのが難しい。同社も20年以上前にコードレスナッターを発売したが、締結本数や重量など課題が多く現在は廃番に。有線式の電動ナッターも展開しているが、排熱のため定期的に作業を中断しクールダウンする必要があった。エアーナッターは軽さやスペックに優れるが、昨今は製造現場で省エネの観点からエアーレス化が進む。こうした背景から、エアー式と同等の性能を持つコードレスナッターは現場から強く望まれていたのだ。

N1B1はまさにこの条件に適う製品だ。エアーナッターと同等のスピードで、満充電なら1000個以上のナットを締結できる(ナットの材質、サイズの種類により変動)。これは1日の締結本数を、「ほぼすべての現場でカバーできる水準」だ。本体重量は2.6キロで、エアー式よりやや重いがエアーはカプラやホースが付属することから「実際に現場で持つ際の重量はエアーとさほど変わらない」。ナッターはパートタイマーの女性が使う場合も多く、軽さを重視した。バッテリーの進化でこうしたスペックが実現できた。

デジタル機能も強化。M3~M10までのナットに対応するが、接続母材の板厚によって「かしめ代(シロ):潰す幅のこと」が異なるため従来のエアーナッターは設定を手動で部品の調整をする必要があった。N1B1はストロークデータを10個まで登録可能となり、板厚の異なる複数の箇所への締結でもボタン操作で切替えられるため、設定変更の煩わしさがない。締結本数のカウント機能や、コードレスリベッターで好評だったポカヨケシステムを簡単に構築できる機能も搭載。この管理機能は自動車の架装に使われるナッターと相性が良い。専用工具が必要だったマンドレル交換を、手でできるようにもした。「使い勝手を突き詰めました。かなりの効率化につながると思います」

こうした数々の進化が冒頭の好発進につながっている。「反応はかなり良い。10年分の技術の進化を詰め込んだので、我々も自信を持って提案しています」と石井氏も笑顔だ。同社は昨年にファスニング専門の事業部を立ち上げ、対応力と提案力を強化中。ファスニング事業部はすでに、期初の売上目標を大幅に上回るロケットスタートを切っている。






パナソニック エレクトリックワークス社、
アタッチメントシステムが届ける身軽さ

トルク性能UPでコアドリル径110ミリ下穴あけも


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木工穴あけの連続作業がより止まりにくく、作業効率がアップする「EZ1DD3(キイレスチャックアタッチメント装着時)」

パナソニック エレクトリックワークス社の電動工具ブランド「EXENA」。小型・軽量タイプの充電式のドリルドライバー「EZ1DD2」の後継機として昨年末に「EZ1DD3」が登場した。人材不足や生産性向上など建築現場の課題に応える。

最大トルク向上により、集中換気扇など径110mmの下穴あけが可能に。径80㍉の下穴あけが最大だった従来製品に比べ、作業領域を広げた。「例えばエアコン設置時の配管通しから、集中換気扇フードの取付け時のサイディング穴あけまで対応できる。『電動工具で径110㍉を開けられるのは嬉しい』という現場の声も。加えてHighモード設定時は、木工穴あけの連続作業がより止まりにくくなっている」(担当者・以下同)。また、ドリルロック時の停止機能を新搭載し、作動の有無は作業に応じて選択できる。

同製品は人気の高い独自のアタッチメントシステム「ONE ATTACH(ワンアタッチ)」に対応。各種アタッチメントを交換すれば本体1台でケーブル切断や圧着作業、スミ打ちなど電設作業全般をまかなえる。昨年は振動ドリルアタッチメントも追加し、作業の幅をさらに広げた。

トルク性能の向上によりアタッチメントにおける高負荷作業の能力もレベルアップ。圧着アタッチメントは従来の最大圧着能力38平方㍉メートルから60平方ミリメートルに拡大、ノックアウトパンチはステンレス(1.5mm以下)の打抜き作業に対応できるようになった。

アタッチメントに応じ最適なトルクや回転速度があらかじめ設定される「Aモード」が新たに付与(Low設定時のみ)され、設定ミスによる施工不良を低減する。トリガー操作のみで正転・逆転を自動で切替え可能なタップモードも従来製品に引き続いて搭載しており、スムーズなタップ立て・タップさらいが行える。

 「荷物が軽量で済み、持ち運ぶ工具が減り現場の往復に割く時間を減らせる、アタッチメント工具ならではの身軽さは大きな魅力。順調に導入が進んでいる」






ベッセル、充電式インパクトレンチ

高出力300N・mで軽量2.2キロ


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ベッセルの充電式インパクトレンチ「SP LINE SP―8141J」の販売が好調だ。2.2キロと軽量ながら最大300N・mの出力が可能。元々自動車整備用に開発されたが、六角軸のビットを接続するソケットアンビルセットをセットすることで建築現場や機械整備に用途が拡大している。

ブラシ交換不要でメンテナンスフリーの安定高出力DCモーターを採用。高出力を支えるインパクト構造により最大トルク300N・mを実現。全長141ミリのコンパクトサイズながら、バッテリーを含む重量が2.2キロで取り回しもしやすい。

■ソケットアンビルで用途拡大

グリップを握ったままで、指先で回転方向の切り替えが出来、中間で止めるとトリガーロックが可能だ。トリガーを引くとLEDランプが点灯し、作業エリアを明るく照らす。

 最大の特徴は手回しモード、仮締めモード、最大パワーモードの三段階にスピードが切り替えられる点だ。元々は自動車整備を想定した機能で、手回しモードは、面倒なナットの「手回し取り付け」を電動ツールでスピーディーに行える。仮締めモードはボルト伸びやネジ山の破損を防ぐため、一定回転すると自動で停止するもの。最大パワーモードは固くしまったナットを緩めるための高トルクを実現している。

自動車整備用に開発された高機能を応用し「例えば建築現場でたくさんのボルトを一気に締める場合、手で数山回してから電動工具を使うより、手回しモードを活用するほうが早い場合も多い。また機械のメンテナンスでも、インパクトレンチの強い力で一気に締めすぎるとゆがみが出たり、ネジ山がつぶれるかもしれない。仮締めモードで締めすぎを防ぐ、などの活用が考えられる」(担当者)と話す。5月より六角軸のビットを接続するソケットアンビルをセット販売することでさらに用途の拡大を目指す。






ロブテックス、リベットフィーダーが脚光

少額投資ではじめる省力化


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ロブテックスのオートリベットフィーダーが好調だ。リベッティングの自動化の引き合いがここ数年で急増し、オートリベットフィーダーの販売台数も従前の約10倍に。受注生産では追い付かず、小型のオートリベットフィーダー「ARF-810E」は在庫販売に舵を切った。少額で手軽に現場の省力化・効率化を果たせる点がユーザーにかなり好感されている。

ARF-810Eはエアーレスで駆動する電動オートリベットフィーダーだ。卓上に置けるサイズで100V電源さえあれば使える。エアー式の半分の小額投資でリベットをリベッターに自動セットでき、手でセットする場合と比べ生産性が「劇的に高まる」という。

リベットは先端が尖っており、箱に入った状態で掴むと刺さって痛いという現場ならではの悩みもあった。ARF-810Eはこの点も解決でき、少額投資で省力化と安全の強化が叶う。






育良精機、最大口径100㍉穴あけ可能な可搬ボーラー


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育良精機が4月に発売したライトボーラー「ISK―LB100S2」(=写真)は、最大口径100ミリの穴あけが可能でありながら、本体質量23キロと軽量(最小口径は40㍉、最大深さは35ミリ)。サイズもW303×L310×H429ミリとコンパクトで、AC100Vの電源で動作するため、持ち運び可能で設置場所を選ばない。

刃物の回転速度を高速と低速の2段階で切り替えでき、刃先に切削油を供給するオイラーも標準で付属するため、加工時の切削効率や品質の向上や、工具摩耗の抑制に寄与する。また、トルククラッチを採用しており、モーターへの過負荷も防止する。

マグネット吸着式のため、既設の鋼材への取り付けも簡単。最大磁力18㌔ニュートン、最小吸着板厚6㍉で、大型機械では穴あけ作業が難しい現場での使用に向く。






東日製作所、かじりや二度締め検出可能なトルクドライバー


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「PTA-BTシリーズ」はBluetooth搭載のバッテリー式全自動トルクドライバー。引き金を引くだけで操作でき、設定トルクに達すると自動で止まる。トルク調整範囲が2~5Nmの「PTA5N-BT」と4~10Nmの「PTA10N-BT」の2機種を用意しており、締付ボルトの目安はM5~M8程度。

トルクと角度センサーを内蔵しているため、測定データの合否判定を即座に行える。ねじのかじりやメネジの加工不良などの締付け異常、二度締め(ポカヨケ)の検出も可能。トルク精度は±5%、角度精度は±5度。

Bluetoothを搭載しているため、締付けデータを自動でPCなどに送信することも可能で、手入力による工数削減と入力ミスの発生を防止する。また、締付けトルクの上下限値や角度設定もBluetooth通信で行える。トルク制御や締付トルクの全数データ管理に適する一品。






西田製作所、配電盤トップシェアの油圧ブスバー加工機


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油圧工具のパイオニアである西田製作所のイチ押し製品は、配電盤や制御盤の電流を導電するブスバーやアルミバーの油圧加工機「NC-BCP2B」シリーズ(受注生産品)。アタッチメントの交換により穴あけ・曲げ・切断の3役を1台で行える。穴あけポンチダイスは径11・14・18・21ミリを付属。径10~21ミリの範囲で指定サイズの注文製作に対応する。曲げポンチダイスは標準90度曲げ、曲げRは13ミリ。

NC-BCP2Bは「配電盤業界トップシェアを誇る」(同社)。最大穴あけ能力は径21ミリ×厚み10ミリ、最大切断能力、曲げ能力は幅150ミリ×厚み10ミリで「受刃と切刃の摺動はスムーズで品質よく切断でき、きれいな穴あけが可能」(同社)と操作も簡単で便利に使える1台だ。






日東工器、細かいバリ取り用ベルトサンダー


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日東工器が昨春発売した、バリ取り作業に適したバッテリー駆動のベルトサンダー「コードレスベルトンCLB-10」は電源やエアー源がない場所での細かい作業に向く。HiKOKI製バッテリー(18V、2.0Ah)を搭載した状態で重さ1.4キログラムと軽量。

バッテリーは標準で付属し、金属部品の研磨や錠前の取付け工事などに適する。従来のベルトンにはない「過負荷検知機能」「押し当て調整アラーム機能」を新たに搭載し、材料の削り過ぎや研磨ベルトの使い過ぎを防ぐ。研磨ベルト寸法10×330ミリで回転速度を6段階に調整可能。ベルトの回転方向を正転または逆転に切り替えて、切粉の飛散方向を変えられる。

「過負荷検知機能」は研削中のモーター過負荷をLEDランプで知らせる。「押し当て調整アラーム機能」は事前に押し当てレベルを設定し、研削中にそのレベルに達するとLEDランプが点滅して削り過ぎを防ぐ。






日東造機、金型交換不要のアングル加工機


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日東造機の小型アングル加工機「FM-30」(=写真)は、標準セットだけでステンレスアングル75ミリ×板厚6㍉の加工が可能。Vノッチやコーナーカット金型とベンダー金型が組み込まれているため、レバーの切り換えだけで4種類(90度Vノッチ/45度コーナーカット・アングルベンダー・90度コーナーカット・スミ切り)のアングル加工がスムーズに行える。オプションでパンチャー刃物をセットすれば、穴開け作業も可能。クランプベースを調整すれば位置あわせも簡単に行えるなど、作業の簡素化・効率化に貢献する。

本体と油圧ポンプが分かれているため、作業頻度に応じてユニットを選定(高速型ポンプ〈450W〉、超軽量型ポンプ〈350W〉)もでき、工場内設備としてだけでなく解体現場などにも持ち運んで使用しやすい。






室本鉄工、切断面◎の片刃作動式の角型エアーニッパー


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室本鉄工は、自動機に組込むエアーニッパシリーズに、角型ボディで片刃作動タイプのエアーニッパー「CPS30G(X)」(=写真)を新たにラインナップ。「両刃作動型より切断時のワーク振れが少なく、切断面もきれいに仕上がる」(同社)。従来品の丸型ボディや、手作業向けのレバースイッチ付き本体もラインナップ中だ。

替刃により細かなニーズにも対応する。バンド(帯鉄)カッター「NO.300CP-V2564」はエアーニッパーで使用できる片側作動のシャーリング刃。「上記本体をラインナップした際、プレス加工ユーザーから『エアーニッパーで帯鉄を切りたい』と寄せられた声に応えた。一発で切れる切れ味に仕上げ、刃の下側が薄いため結束バンドの狭い隙間に入れられる」(同社)。受注生産品で、「ワークをいただければ当社で事前切断テストにも対応する」とPRする。




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【インタビュー】柳瀬 営業本部 機工部 部長 森 清 隆 氏






(日本物流新聞2025年4月25日号掲載)