インタビュー
三和ロボティクス 社長 沢 宏宣 氏
小型部品加工の自動化に最適な新自動化システム
- 投稿日時
- 2026/06/30 09:27
- 更新日時
- 2026/06/30 09:31
自社開発の自動化システム「ネクサート」で機械加工の自動化を後押しする三和ロボティクス。自社でも加工を請け負う同社ならではの知見が詰め込まれた「即戦力」の同システムに、小型・精密部品加工向けモデルが新たにラインナップされた。同社の沢宏宣社長に、直近の景況感と新モデルについて聞いた。

――足元の景況感は。
当社のお客様は、半導体製造装置や防衛、医療関連の部品加工業者が中心です。それぞれの業界が比較的上向きであることに加え、省人化ニーズも高まっており、当社への相談件数が増えていると感じています。
ここしばらく、人手不足が前提になっている状態が続いてきました。そこへ人件費の高騰が重なり、自動化せざるを得ない状況が加速している印象です。いま自動化に取り組まないと事業の持続性が保てないと、お客様が感じ始めているのだと思います。
――地場の景況については。
当社の場合、地域性というより産業分布で受注が動く傾向があります。例えば、半導体製造装置の仕事をされているお客様が多い地域は東北が忙しい。医療系は長野・山梨のお客様と繋がっている、という具合です。長野のデータセンター・半導体関連の盛り上がりも感じていますが、東北がまず先行し、その後に中央道(中央自動車道沿い)へ波及してきたイメージです。
――貴社の工作機械自動化システム「NEXSRT(ネクサート)」の導入状況は。
以前は新規工作機械とのセット導入と既存機への後付け導入が半々でしたが、現在は8割が新規の工作機械とのセット導入になります。省力化補助金の活用もあり、このところ新規導入との同時購入が大幅に増えています。
――貴社は自社でもネクサ―トを活用されていますが、稼働率は。
昨年は既存顧客の仕事が一部中国に移管されたこともあり、稼働率は高くありませんでした。しかし今期に入ってから、コネクターメーカー、電子機器メーカー、チップマウンターメーカーなど新規のお客様も加わり、稼働率は大幅に上がっています。昨年を10とすれば、今年は17~20近い水準、ほぼ倍です。
――急増した受注をこなしきれているのでしょうか。
問題なくこなせていますし、現状のシステムならまだ若干の余裕があります。ネクサートはを人を増やさなくても、治具のセットとプログラムを用意すれば生産量を出せる。固定費を増やさずに受注増にも応じられる。「スイッチをひねる」ように生産を増やせる瞬発力があります。

多品種・小型部品加工に対応するネクサートR50/84
――7月頭に開かれる展示商談会「大阪どてらい市」に新モデルを出展する。
新モデルのネクサートR50/84の基本的なコンセプトは従来モデル同様、多品種対応でマシニングセンタの生産性を上げるというものです。新モデルの特徴は、設置スペースがよりコンパクトになりながら、ストック数が従来比2倍以上の最大84個となった点です。また、これまでマシニング加工専用だったところを、放電加工・電極加工にも対応しています。さらに今後の拡張性も持たせており、このモデルをベースにさまざまな組み合わせで展開できるようにしています。
――ストック数の増加で長時間の無人稼働も実現可能になりますか。
1個当たりのサイクルタイムにもよりますが、例えば15分の加工なら50個で約12時間稼働できます。完全無人化を狙うというよりは、「省人化」を現場で実装しやすくするイメージです。具体的には、人が8時間働いて退社した後、機械は夜間も稼働し続ける。翌朝また人がセットして昼間も動かす――そうして機械を24時間休ませずに使い、作業者を増やさずに工場をフル稼働させることを提案しています。
――価格帯は従来モデルと比べてどうなるのでしょう。
大体同水準での納入を想定しています。スペックが大幅に向上しながら価格は変わらず、非常にお得感があると自負しています。ただ、サイズとしては今回のモデルはコンパクトで、小型・精密なワークに特化した機種です。小型多品種ワークの自動化にはベストな選択肢になると思います。
――新モデル開発の経緯は。
実は、取引の厚い商社さんから「こういうモデルが欲しい」というリクエストをいただいたのが大きなきっかけです。従来モデルは現場のニーズから生まれたものでしたが、今回は販売パートナーのご意見をも多く取り入れた形で開発を進めました。
――今年3月には大阪に拠点を開設しました。
当社は長野県飯田市が本社ですが、全国に500社以上のお客様がいて、北海道以外はほぼ全国に納入実績があります。これまでは飯田から出張ベースで営業していたのですが、効率が悪く限界を感じていました。
昨年まず埼玉・上尾に関東拠点を設けたところ、「近くに来てくれたなら安心して相談できる」というお客様が多く、大きな手ごたえを感じていました。同様の状況が関西にもあると判断し、大阪・吹田に拠点を開設しました。将来的には広島・九州へのネットワーク拡大も視野に入れています。
当社はまだ関西での認知度が低く、大阪どてらい市は多くの方に三和ロボティクスとネクサートを知っていただく絶好の機会だと思っています。大阪・関西にしっかり根を下ろしてやっていきたいので、ご来場の皆さんにぜひ仲良くしていただければ、という思いです。当社は自社工場でも自動化システムを実際に運用しており、工場見学も受け付けています。展示機を見ていただくだけでなく、実際の自動化のリアルな姿を知っていただけると思います。
(日本物流新聞2026年6月25日号掲載)