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インタビュー

松本機械工業 社長 松本 晶久 氏 
新型自動段取りロボをJIMTOF2026で披露

投稿日時
2026/09/29 14:35
更新日時
2026/09/29 14:38

1948年創業の松本機械工業は、21年に発表した自動段取りロボットシステム「Smart Terrace AIO」によって大きく飛躍した。夕方17時から翌朝8時までの15時間に最大32回の無人段取り替えを行う「1直24時間稼働」を実現し、同社の新たな代名詞となっている。松本晶久新社長は成長を牽引する新製品「Smart Terrace Adv(アドバンス)」を引っ提げ、JIMTOFに臨む。

松本晶久社長。左はJIMTOFに向け制作中の「Smart Terrace Adv」

——足元の景況感と各事業の手応えをお聞かせください。

「チャック事業はデザインチャックや特殊品に特化して全体として好調を維持しています。円テーブルは、政府の『17の重点分野』や米国の防衛関連需要が追い風となっています。自動車向けは低空飛行が続くものの、以前より動きが出てきました。一方、SIer部門への期待は非常に高まっています。自動段取りロボットシステム『Smart Terrace Adv』を『MEX金沢』や『ロボットテクノロジージャパン』で発表したところ、ケレの自動交換を含め『技術的難度も勿論そうですが、そこを自動化する発想そのものがなかった』点を含め『円筒研削盤の段取り替え自動化を初めて見た』と大きな反響をいただき、多くの引き合いが寄せられています」

——「同Adv」は機能向上と低価格化のトレードオフを成立させています。

「コストダウンにあたっては、まず外注していた制御ソフトの開発を内製化しました。さらに、従来はロボット用と制御用(PLC)で別々だったコントローラーを統合し、『PLCレス』設計とすることで大幅な原価低減を実現しています。構造面も根底から見直しています。ワークストッカーには『ツーバイフォー』工法を応用し、面(壁)を構成してボルト締めする構造へ再構築しました。イケアの家具のように位置決めが容易で、熟練の職人でなくとも正確かつ綺麗に組み立てられる設計です。ここに高精度なリーマボルトを組み合わせることで、家具感覚の組みやすさと精密機械としての精度を高次元で両立させました」

——JIMTOFでの展示見どころと、自動化に対する提案について。

「定番のチャックやシリンダーに加え、『同Adv』を出展します。これまではシャフト加工など長物向けの斜め置きストッカーを展示していましたが、今回は『引き出しタイプ』をパッケージ化して実演します。段ごとに手前へスムーズに引き出せるため、奥のワークへのアクセスや多品種少量の段取り替え作業を飛躍的に効率化できます。なお、ヤマザキマザック様のブースでは、当社のクイックジョーチェンジチャックを用いた加工デモも実施される予定です。当社には単なるワーク交換にとどまらず、治具との取り合いや計測まで含めた課題をワンストップで解決できる強みがあります。自動化の『1代目』として最適なシステムです。過去に専用特化型の自動化で失敗し設備を遊休化させてしまった工場も散見されますが、当社のシステムなら将来的に加工ワークが変わっても柔軟に対応できる汎用性があります」

——中長期的な事業展望と最新テクノロジーの活用について。

「工作機械自体、AIやヒューマノイドロボットが進化しても、ワークの把持・回転(チャッキングによる把持、ロータリーテーブルによる回転・位置決め)を担う要素技術は、常に最新加工技術の核心であり続けます。『松本機械だからこそ解決できる』技術領域を強固な参入障壁とし、新設した総合工場を足がかりに、自動化システムを確実な事業の柱へ育て上げます。難易度が高く敬遠されがちなデザインチャック、航空宇宙向け等で活況な円テーブル、そして自動化システムの3本柱で、当社ならではの強みをさらに伸ばしていきます」

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新工場


新工場はおしゃれなカフェ?


新工場は金沢市西部にある本社敷地内に開設し、今年10月に本格稼働を迎える見通しだ。チャックや円テーブルに加え、自動化システム「Smart Terrace」の組み立てを担う。建屋の外壁には「Smart Terrace」の文字が青くライトアップされ、すぐ脇を走る北陸自動車道からも鮮明に目を引く。企業ブランディングに一役買っているが、「事情を知らない方からは『新しいカフェでもできたのか』と勘違いされる」と、松本社長は目を細める。






執筆:モノクエ編集部
本記事は、創刊70年超のモノづくり専門紙「日本物流新聞」の編集部が制作しています。製造業に精通した専門記者が、現場取材に基づいた正確で鮮度の高い情報をお届けします。



(日本物流新聞2026年9月25日号掲載)