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工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】 
「電気炉」をイチから作ってみる(前編)

投稿日時
2026/06/09 14:53
更新日時
2026/06/09 14:57

ファザーマシン2/Chapter73

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。

今回は、「電気炉製作 前編」をお送りします!

耐火レンガにカンタル線溝を掘っているところです

ある日、ふと思いました。「電気炉が欲しい!」

なぜ急にそんなことを思ったのか。理由はいろいろありますが、一番大きいのは、単純にものづくりの幅が広がるからです。電気炉があれば、金属の焼き入れができます。焼き入れができれば、ナイフも作れるかもしれません。

作るとは言っていません!

さらに温度を上げることができれば、アルミなどの金属を溶かして鋳造もできます。

型に流し込んで、自分で金属部品を作る。これだけでもうロマンがあります。ほかにも、異なる金属を重ねて接合し、木目のような模様を出す「木目金」なんかもできるらしい。できることが一気に増える気がします。

ただ、何を隠そう私には、

「これを作りたい!」

という明確な目的はありません。ナイフを作りたいとか、鋳物を量産したいとか、木目金で高級アクセサリーを作りたいとか、そういう具体的なビジョンがあるわけではないのです。

ただ、興味のあることをやりたい。計画性があるように見えて、「おもしろそう」というフィーリングだけで動いています。

そんなわけで、さっそく電気炉の作り方を調べてみました。仕組み自体は思ったよりとてもシンプル。

発熱体に電気を流す。

発熱体が熱くなる。

炉の中の温度が上がる。

ざっくり言えば、これだけです。……と言うは易し。

■市販のものより大型に

もちろん、ただ電気を流せばいいわけではありません。温度が上がりすぎると危ないですし、発熱体が焼き切れる可能性もあります。

そこで必要になるのが、温度を管理する仕組みです。炉の中に「熱電対」という温度センサーを入れ、今の温度を測ります。その温度を見ながら、温度調節器が電気を入れたり切ったりします。実際に電気のON・OFFを担当するのが、SSR(ソリッドステートリレー)という部品です。

例えば、炉の温度を500℃に設定したとします。炉内がまだ30℃なら、カンタル線に電気を流して加熱します。カンタル線が熱くなり、炉内の温度が少しずつ上がっていく。500℃に達したら電気を切る。温度が下がったら、また電気を入れる。

この繰り返しで、炉内の温度をある程度一定に保つわけです。

「めっちゃ簡単やん!」

仕組みだけ聞くと、いけそうな気がします。しかし、いやな予感しかしません。(笑)

材料も調べてみると、意外とシンプルでした。耐火レンガ、耐火モルタル、温度調節器、SSR、熱電対、カンタル線。このあたりを揃えれば、電気炉らしきものは作れそうです。

ただ、問題はここからです。炉の中は高温になるので、当然ながら普通の材料は使えません。熱に耐える素材で作る必要があります。さらに、炉を大きくすればするほど温度は上がりにくくなり、断熱が甘ければ、せっかく作った熱もどんどん逃げていきます。

つまり、大きく作りたいけど、大きくすると難しくなる。欲張ると、自分の首を絞めます。プロなら、炉の容量、断熱材の厚み、発熱体の長さ、電力、昇温時間などを計算して設計するのでしょう。

もちろん、市販の電気炉もありますが、そこそこ高額ですし、意外と中の容積が小さい。

せっかくなら、少し大きめのものを作ってみたい。どうせ苦労するなら、自分が使いやすいサイズにしたい。そんな軽い気持ちで、ネットで材料を揃えることにしました。

果たして、ちゃんと温度は上がるのか? カンタル線は焼き切れないのか?

次回もお楽しみに!



(日本物流新聞2026年6月10日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.8万人(2026年6月8日現在)