連載
工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】
ニトリのテーブルを溶接テーブルに
- 投稿日時
- 2026/07/10 11:13
- 更新日時
- 2026/07/10 11:17
ファザーマシン2/Chapter75
みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「ニトリテーブル改造」をお送りします!

見た目はそれなり、なんですが
溶接テーブルと言えば、DIYをやる人なら一度は欲しくなるアイテム。しかし市販品はなかなかのお値段です。
「だったら安いテーブルを改造した方が早いのでは?」
そんな軽いノリで始まった企画でした。至って普通のニトリさんの事務用テーブルを使います。
作業開始早々に問題発生。フレーム補強をするため、剥離剤で塗装を落としていたところ、補強予定だった部分に磁石が付きません。よく確認すると、まさかの樹脂製…当然ながらこれでは溶接はできません。
最初に考えていた補強プランは崩壊し、急遽別の方法で強度を出す設計に変更を余儀なくされました。
さらに追い打ちをかけるように、鉄フレーム部の肉厚はわずか0.8㍉。補強用に用意した角パイプは2㍉。数字だけ見ると大した差ではないように見えますが、溶接となると完全に別物です。
厚い方はなかなか熱が入らず、薄い方は一瞬で溶ける。トーチの角度や向きを少し変えただけで結果が変わるので、思った以上に苦戦しました。
しかも今回のTIG溶接は、購入してからほぼ使っていなかったので初挑戦と言っても過言ではありません。半自動溶接ならトリガーを握って進めば何とかなりますが、TIGは左手に溶接棒、右手にトーチ。両手で別々の作業をしながら進める必要があります。頭では理解していても、実際にやると全然思い通りになりません。
そして始まる穴あき地獄…薄板に熱が入りすぎて穴が開く。その穴を埋めようとしてさらに穴が広がる。また埋めようとして別の場所が溶け落ちる…まさに無限ループです。
失敗するたびにタングステン棒の先端も丸くなってしまうため、その都度グラインダーで研ぎ直します。気付けば新品だったタングステン棒は半分以下の長さになっていました。
「溶接より削っている時間の方が長いのでは?」
そんな苦労の末に完成した強化フレームに載せる天板は、板金屋さんにレーザーカットしてもらった鉄板。1枚約25㌔グラムの鉄板を2枚並べています。
フレームの反りによるガタつきはシムを挟んで微調整し、できるだけ水平を出しました。さらに天板はボルト固定式なので取り外しも可能。メッシュ素材の天板に交換すれば、溶接だけでなく溶断作業にも対応できるようになっています。
一方で、別途調達した治具には少しガッカリさせられました。アリエクで購入したアングルバイスです。商品写真では裏面がしっかり面削されていたのですが、届いた実物は未加工。定盤に置くとカタカタ揺れます。溶接治具が真っ直ぐ置けないという、最悪な商品でした。
そして肝心の完成品ですが――
正直に言います。失敗作です(笑)
見た目も汚いですし、人間が乗っても壊れない程度の強度は確保できたものの、期待していたほど頑丈ではありません。補強を少し追加したくらいでは元々の構造の弱さを覆せず、多少グラグラします。もちろん溶接作業自体は問題なく行えます。
ですが、あれだけ時間と手間を掛けたにもかかわらず、完成度は市販の溶接テーブルに遠く及びませんでした。
今振り返ると、「ニトリのテーブルを改造する」というワードだけが先行してスタートした企画だった気がします。やはり最初の土台選びは大事ですね。いつかフレームだけでも作り直したいとは思っていますが、現状でも一応使えてしまっているのでなかなか重い腰は上がりません。
次回もお楽しみに!
(日本物流新聞2026年7月10日号掲載)
工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.9万人(2026年7月10日現在)