連載
けんかっ早いけど人が好き Vol.117 岩貞るみこ氏(自動車評論/作家)
- 投稿日時
- 2026/03/30 15:19
- 更新日時
- 2026/03/30 15:21
ちいかわコラボ
一昨年に出版した『こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。』(講談社)が、青い鳥文庫になった。話をもらったときは出版から一年八カ月、まだ重版もかかっていたのでこのタイミングでの文庫化は早いと思ったけれど、このところの私は老害になってはいけない使命感に燃えに燃えており、現場の若い人がやりたいというものには全部のっていこうという姿勢。ゆえに、編集担当さんからのオファーには、はい、よろこんで、と返事した。

ちいあお文庫です。フェア参加の書店のみで購入可能です。
文庫化にあたり、ふたたび校正用紙が届いた。面白いもので、出版から何年もたった本はあっちもこっちもと手直しだらけでまっ赤っか(赤ペンで直すので)になるのだが、二年もたっていない場合はほとんど直すところがない。実際、編集さんも校閲さん(言葉のスペシャリスト)も、申し訳程度に鉛筆が入っているくらいだ(校閲さんは黒い鉛筆で書きこんでくれる)。
するりと入稿してもらい、あとは出来上がるのを待つばかりという頃に、ふたたび担当さんから連絡があった。
「あのう、ちいかわとコラボしていいでしょうか?」
はい? ちいかわって、あの、ちいかわ?
ご存じの方も多いことだろう。名前は知らずとも見ればわかる人もいるはずだ。そう、ナガノ氏が描く、なんとも愛らしい連載漫画&主人公の名前である。ちいさくてかわいいから、ちいかわ。まんまじゃないか。その人気にあやかって講談社ではちょいちょいコラボを行っているのだが、この春のフェアでカバーを隠すほどの幅広のちいかわ帯をつけるというのだ。そこに『こちら~』に加え拙著『ガリガリ君ができるまで』を選びたいというのである。はいはいはい! よろこんで!
送られてきた完成品のなんとかわいらしいこと。うさぎはガリガリ君のバーまで持っているではないか。こんな光栄なことがあっていいのだろうか。がんばってきてよかった。ナガノ氏に認知していただけるなんて。はっ! そこで気づく。もっともっとがんばれば、私の推しともコラボできるのだろうか。私の書いた本が映画化なんかしちゃって、その挿入歌を推しが担当するとか? そして会えちゃったりとか? 妄想だけど願えば叶う、なのである。
(日本物流新聞2026年3月25日号掲載)
岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。国際交通安全学会会員。最新刊に『こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。』(講談社)