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扉の先109/スターテクノ、新本社工場が竣工

投稿日時
2026/05/15 14:26
更新日時
2026/05/15 14:28

自動車依存減らしグループで「生き残る」

今年1月に竣工した新本社工場(愛知県丹羽郡大口町、3階建て、延べ床面積1万812平方㍍)のガラス壁に初夏の青空と雲がくっきりと映り込む。1階は機械加工と組立エリア、2階はグループのショールームとラボ、3階はフリーアドレスを中心としたオフィスエリアで構成するいかにも近代的なビルだ。

新本社工場の外観

スターテクノは移転を機にオークマの5面加工機1台を新たに導入。マシニングセンタ7台、複合旋盤1台も設備し、切削加工もこなすちょっと珍しいロボットSIerだ。

「機械加工を外注する同業者は多いが、内製することで自動化システムの納期を短縮でき、必要に応じて部品の再加工もスムーズに行える」

瀬川裕史常務取締役はそう説明する。移転により延べ床面積は以前の8割ほどになったが、「これまで点在していた組立エリアを集約したことで無駄がなくなり、新たに空調を整えたことで加工品質と作業環境が向上した」と言う。

ロボットによる切断・接合・搬送システムを製造する同社は、とりわけ樹脂加工の自動化に強く、自動車産業向けの仕事をメインとしてきた。だが近年は、新規事業の開拓を進め、売上高の8割を占めた自動車向け仕事は7割に減らした。一方で物流、食品、建築向けの仕事を増やし、コンクリートや樹脂を材料とする積層ノズルをロボットアーム先端に搭載した自動化装置(3Dプリンター)も開発している。

■意思決定スピードを加速

新社屋はグループ4社の本社エリアに立地する。それにしても旧社屋から10㌔も離れない土地に巨額を投じてなぜ移転を決めたのか。

スターテクノと親会社のスター精機(射出成形機用の取出しロボットなどを製造)は機械設計や製造で似た機能を持ち、余力を残すなど能力を持て余すことがあった。「これまで旧社屋で機能を集約しようと試みたが、物理的な距離があってなかなか実現には至らなかった」と言う。だが移転して4カ月。瀬川常務ははっきり実感する。

「情報共有がスムーズで、意思決定のスピードが格段に速くなった。世界に拠点をもち量産に強いスター精機と、個々のニーズを捉えて形にすることを強みとするスターテクノのシナジーが得られる」

課題は大きな変革期を迎えている自動車産業に依存しすぎない体制づくりだ。「自動車は車種のモデルチェンジのたびに装置の受注があったが、それは過去の話。今はモデルチェンジの時期は伸び、部品の共通化などで受注のボリュームは減り、仕事は読みづらい。今までと同じアプローチをしていては我々は生き残れない」と危機感を抱く。

改革のきっかけの一つにAIがある。AIを使ってシステムづくりの工数を減らしたり、ラダープログラムを作成したりできる可能性が格段に高まったからだ。手がけるシステムにフィジカルAIを搭載してユーザーが求める難易度の高い自動化につなげることも考えられる。ここでもグループの力が生かせそうだ。AI開発にはソフトウェア制作を担うステルテック(愛知県小牧市)の能力を活用する予定という。

1面【扉の先】ロボットSIer・スターテクノP2.jpg

オークマの5面加工機を紹介する瀬川裕史常務取締役

(日本物流新聞2026515日号掲載)