産業潮流
アジア向け工作機械受注、歴代最高に
- 投稿日時
- 2026/05/19 16:55
- 更新日時
- 2026/05/19 16:58
工作機械、外需主導鮮明
足元の日本の工作機械の外需が大幅に増えた。国際情勢の不透明感が拭えない状況にあるが、アジアで投資が持続しているためだ。
(一社)日本工作機械工業会が4月28日発表した3月の工作機械受注額は前年同月比28.0%増(前月比は31.8%増)の1934億7千万円とこれまでの最高額(2018年3月の1828億円)を更新。8年ぶりに記録を塗り替えた。引っ張るのは7割超を占める外需で1430億円だった。これも過去最高額(25年12月の1187億円)を更新。外需の過半を占めるのはアジア向け。なかでもけん引役は中国向けで、前年比で24カ月続けて増加している。

3月の外需は主要4業種である一般機械(前年同月比24.1%増)、電気・精密(65.8%増)、自動車(16.7%増)、航空・造船・輸送用機械向け(29.8%増)がいずれも大きく伸長した。長らく3番手につけていた電気・精密向けの伸びが際立つ。アジアでの電気・精密向けの226億円は自動車向け(199億円)をポンと飛び越え、一般機械向け(233億円)に迫る勢いだ。半導体・データセンター投資との関連がうかがい知れる。
日本の製造業において、景気の先行指標とされる工作機械受注の構造変化が鮮明になったと言える。かつて国内の自動車や電機産業といった「内需」に支えられてきたこの産業は今、海外市場、すなわち「外需」の爆発的な伸長によって牽引される構造へと完全に移行しつつある。
通年でも傾向は変わらない。日工会の発表によると、2025年の年間受注額は前年比8%増の1兆6044億円と3年ぶりに1.6兆円を超え、歴代4番目の高水準を記録した。この躍進の原動力となったのが、過去最高を更新した外需(1兆1635億円)である。一方で内需は微減の4408億円にとどまり、回復の足取りは依然として重い。
さらに2026年3月には、月次の受注総額は1934億円に達し、2018年3月以来の過去最高額を塗り替えた。この「驚異的」とも評される大記録を主導したのも、アジアや北米を中心とした旺盛な設備投資需要だ。総受注額に占める外需の割合が7割を超える中、世界的な製造業の高度化・自動化投資を日本企業が吸収している構図が浮き彫りとなっている。