産業潮流
熱中症対策義務化、暑さ指数計の需要急増
- 投稿日時
- 2025/07/10 15:17
- 更新日時
- 2025/07/10 15:19
昨対比3倍に生産追付かず
寝耳に水の改正省令が今年4月交付された。6月1日に施工された職場の熱中症対策の義務化だ。違反した場合には6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性もあり、夏本番を迎えるにあたって注目が集まっている。
義務化のポイントは3つ。(1)熱中症の疑いや症状を早期発見するための報告体制の整備(2)症状の悪化を防ぐための応急措置や医療機関への搬送手順の作成(3)これらを作業者全員に周知徹底すること。対象は暑さ指数(WBGT値)28℃以上または気温31℃以上の環境下で、連続1時間以上か1日4時間を超える作業。あらゆる業界が対象になる。

エー・アンド・デイは暑さ指数計を10種類以上用意する。小さめの黒球が付いた製品が今夏最も売れた暑さ指数計「みはりん坊プロ」
既に冷感衣類や簡易休憩室など、様々な熱中症対策グッズに関心が高まっているが、規制にジャストフィットな製品として最も注目を集めているのが暑さ指数(WBGT)計だろう。実際、同製品で高いシェアを誇るエー・アンド・デイの担当者によると「昨対比3倍以上の引き合いをいただいている。例年だと7月頃が需要のピークになるが、今年は既に品薄の状況」だという。
特に、屋外や熱源のある現場でも使用できる黒球が付いた「みはりん坊プロ」が、手ごろな価格感とコンパクトなサイズ、シンプルな操作性から、発表直後から爆発的な人気となっている。
「建設・土木工事などの屋外の現場や物流倉庫などで、多く導入いただいている。腕などに巻いても違和感なく使用できるようコンパクト・軽量設計で、作業者一人一人の労働安全を確保いただける」
同社はこのほかに黒球が付いていない屋内用の暑さ指数計も用意。「自動でデータを収集できるデータロガーなど、現場ニーズに合わせた製品をラインナップしている」という。
(日本物流新聞2025年7月10日号掲載)