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産業潮流

次年度〜中長期見据え税制改正提言

成長の好循環に向け法人課税の在り方など、DX等、投資促進の観点も(経団連)

(一社)日本経済団体連合会はこのほど、2025年度の税制改正に関する提言をまとめ公表した。「企業の持続的な成長を支える基盤として、税制面で求められる対応を実施すべき」とし、法人課税の在り方について考えを述べた。加えてDX等のイノベーション促進に向けた税制支援、スタートアップ振興、納税環境の整備などに関し考えをまとめ、企業のグローバル活動を下支えする税制として、国際合意の在り方などにも言及した。

提言書は「企業の持続的成長を支える税制」を旗印に、産業基盤強化やイノベーション創出、国際競争力強化に資する法人課税の在り方を述べた。

2015年度からの法人税改革で法人実効税率は大幅に下がったが、日本における法人税1%あたりの税収は改革前と比べ2000億円ほども増加しており(以上、グラフ1参照)、法人減税が国内投資の拡大など企業活動の活性化を後押ししたと提言書は捉えた。さらに「(企業収益が伸びることで)働き手への分配の増加を通じて、法人税のみならず、所得税や消費税など税収全体の増加につながる」とした。

これを踏まえ、提言書は「成長志向の法人税改革」を引き続き実施するよう総論的に述べ、国際的なイコールフィッティングの観点から、主要国の中で依然として高い法人税の水準に留意すべきともした(グラフ2)。

法人税制等については、▽スピンオフにおける所要の措置の必要性、▽リース会計基準への対応、▽DXなどイノベーションの推進、▽地方創生に向けた税制措置、▽中小企業経営強化税制の延長拡充などについて提言した。

またイノベーションの担い手となるスタートアップの振興を強く求め、スタートアップ投資額に関する2年前の政府目標(27年度に10兆円規模)の実現に向け、税制面の支援が引き続き必要とした。

他方、e-Taxシステムに改善余地があるとするなど納税環境の整備を求めたほか、サスティナブルな経済社会実現に向けた税制、企業のグローバル活動を下支えする税制についても様々な提言を行った。

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(日本物流新聞1010日号掲載)