業界統計
3月の工作機械受注、30カ月ぶりに1500億円超
- 投稿日時
- 2025/05/15 09:00
- 更新日時
- 2025/05/15 09:00
前年同月比11.4%増
(一社)日本工作機械工業会(会長=稲葉善治ファナック会長)が4月24日発表した3月の工作機械受注額(確報値)は、内外需あわせた総額で前年同月比11.4%増の1511億100万円。30カ月ぶりに1500億円を超えた。

うち内需は492億6400万円。前年同月比は0.0%で横ばいだが、前月比で見ると45.9%増と2カ月連続で増加。期末効果もあり6カ月ぶりに400億円を超え。業種別では航空・造船・輸送用機械(76.0%増)と自動車(25.1%増)が好調。自動車は30カ月ぶりに110億円を上回った。
外需は同17.9%増の1018億3700万円。6カ月連続の増加で、3カ月ぶりに1000億円を超えた。アジア(44.0%増)は、中国(38.0%増)で自動車を中心に堅調な設備投資が見られることや、インド(127.5%増)が98・2億円と過去最高額を記録したことなどから、3カ月ぶりに500億円超え。2011年11月以来、7年4カ月ぶりに550億円を上回り、過去2番目に高い水準となった。一方で、欧州(同4.3%減)と北米(3.3%減)は減少した。
稲葉会長は米国の関税政策の影響について、「(現状、)設備投資が止まってしまったり、先送りになった話はあまり聞いていない」としながらも、今後の政策動向によっては「米国を含む世界経済に広くマイナスの影響を及ぼす可能性がある」と指摘。一方で、欧州は利下げが進んでいることや防衛関係の増強の動きから、「設備投資がこれから始まるのではないかという期待感がある」と底打ち感を示した。
(日本物流新聞2025年5月15日号掲載)