
大物部品加工の省人化・高精度化を推進
オークマはこのほど、半導体製造装置や建設機械、金型といった大物部品の加工精度と生産性を飛躍的に向上させる大型立形マシニングセンタ「MB-100V」を開発した。同社が培ってきた門形マシニングセンタとMB-Vシリーズの技術を融合させた「スマートマシン」として、MB-Vシリーズ史上最大のテーブルサイズとなる3000ミリ×1000ミリを搭載し、グローバルに需要が拡大する多様な産業分野のニーズに応える。
近年、製造現場では人手不足や熟練技能者の引退による技能伝承の課題が深刻化している。特に大物部品の加工は、高い精度を安定的に維持するために熟練の技術と多くの人手を要し、作業者の負担も大きいのが実情だった。「MB-100V」は、こうした課題を解決するため、加工経験が少ない作業者でも高精度かつ高能率な加工を可能にする点が最大の特長。
同社は、工場内の環境温度変化にも左右されない「知能化技術」の開発を推進しており、これをMB-Vシリーズおよび上位の門形マシニングセンタに展開してきた。「MB-100V」はMB-Vシリーズの最上位機種として、その技術をさらに進化させている。大物部品の段取りや搬入出、切粉処理といった負担の大きい作業も安全かつ簡単に行えるよう配慮されており、人材の流動化が進む生産現場の生産性向上に貢献する。
(日本物流新聞2025年9月25日号掲載)