最大加工径80?_を実現
シチズンマシナリーは11月15日から3日間、長野県の軽井沢本社でプライベートショー「CFA2023」を開催した。CFA(シーファ)は同社最大のイベントで8年ぶりの開催となる。会期中は世界各地の顧客を招き感謝を伝えるとともに、最新のソリューションや10年先のビジョンを提案した。
会場内は時代を感じさせる歴代の工作機械に始まり、LFVを活用したねじ切り、脆性材の加工、自動旋盤とファイバレーザ加工を組み合わせた複合加工など最新の切削ソリューションが提案された。
なかでもひときわ注目を集めたのが、フルモデルチェンジされたミヤノブランドの「ABX80THY」。同機種は正面・背面の同時加工ができる2スピンドルと最多3タレットを搭載し、高効率加工を実現するフラッグシップ機で4モデルをラインナップ。
「今回のフルモデルチェンジでは、主に航空機業界や医療、自動車業界向け部品加工をするお客様から要望の多かった主軸径の拡大の声にお応えし、当社の製品として最も大きい最大加工径80?_の正面主軸を搭載した」
主軸径は大幅に拡大したが、部品の配置を最適化した省スペース設計により、主軸径64?_の従来機と同じ機械サイズを実現。従来最大加工径が64?_モデルは、加工径を正面・背面共に65?_に拡大した。
全4モデル共通のスペックとして、正面主軸の回転数向上、正背面主軸のモーター高出力化、主軸や刃物台を動かすボールねじの軸径拡大による剛性向上、19インチの大型タッチパネル、大型窓ガラスの採用など様々な改良が施されている。
会期初日にはミヤノブランドのハイエンドマシンを生産する北上事業所(岩手県)の生産スペースの増床を行い、生産能力を増強することを明らかにした。同社によると北上事業所内に倉庫・事務棟を増設。工場内から倉庫・事務機能を移転して生まれたスペースは生産に活用し、最大生産能力を従来比2割増に引き上げるという。倉庫・事務棟の建設は2024年4月に着工し、竣工は2025年3月を予定している。
これにより国内3事業所(軽井沢、佐久、北上)の生産能力は月産170台体制へと拡大する見込み。同社が中期経営計画で掲げる「2030年までに売上高1000億円」を達成するための供給基盤を早期に構築する構えだ。
(2023年12月10日号掲載)