経産省「ロボフレ事業」成果発表
- 投稿日時
- 2025/04/22 09:00
- 更新日時
- 2025/04/22 09:00

進むか弁当盛付のロボット化
難しいとされてきた惣菜・弁当の盛付工程の自動化が現実味を帯びてきた。経済産業省が2019年度から進める「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボフレ事業)」が成果をあげてきたからだ。ロボフレ事業に採択された(一社)日本惣菜協会は21年度から4年間にわたり、のべ51社の惣菜・弁当メーカー、59社の開発ベンダーと17種のロボットシステムを開発。3月18日に24年度に取りまとめた成果を都内で発表した。
発表した「惣菜盛付全工程自動化統合ロボットシステム」(ユーザー企業・デリモ、昨年度構築したシステムを機能強化)はこれまで1ラインあたり約10人要した作業者を半数に減らせ、フル稼働すると年間約2千万円の人件費が削減できるという。
「フライ投入兼弁当盛付工程統合ロボットシステム」(ジャンボリア)は弁当をベルトコンベヤから番重へ移し、それを台車に移載するロボット(23年度開発)と、台車搬送AMRを統合したフライ投入と弁当盛付を兼ねるロボット(24年度開発)で構成する。
「惣菜製造工場向け自律型搬送ロボット(AMR)」(阪急デリカ)は食品製造場から食品をエレベーター経由で冷蔵庫へ台車搬送する低重量構内搬送と、同様に冷凍食品を冷凍庫へ搬送する高重量構内搬送を2種類のAMRなどを使って稼働する。
惣菜協会のAI・ロボット推進イノベーション担当フェローの荻野武氏は「盛付工程の自動化は難しく諦めていたが実現できることを示すことができ、これらのシステムは横展開ができる」と言う。課題として小型化、保守、500万円以下への低価格化などをあげるが、「3年以内に実現する」と言い切る。保守については地場のロボットSIerと連携して対応する考え。「保全のガイドラインをつくりソフトウェア化を進めている。つまり適材適所でこの問題はこのSIerさんが対応してくださいと指示できるような。また技術をもつ退職者のネットワークづくりも進めている」と言う。
(日本物流新聞2025年4月10日号掲載)