
クラス最小・正方形、4輪駆動で物流業界狙う
ダイヘンは4月1日、新型自律運搬台車「AiTran500」を発売する。500㌔可搬ではクラス最小の正方形フットプリントが特徴。四輪駆動による全方位走行が可能のため、かご台車の合流に必要なスペースを削減できる。省スペース化を武器に、物流倉庫など新たな市場を狙う。日本物流新聞が独占取材した。
2016年、同社は「AiTran」を発売、23年に「積載型」「けん引型」のラインナップを拡充した。狭い通路・低床物への進入など更なる機能向上を実現すべくフルモデルチェンジした。旧モデル(同400)から可搬重量を100㌔アップしたが、サイズ(フットプリント)を720×720㍉、高さ300㍉と小型化。位置決め精度も従来品より50%向上し前後左右で±10㍉に。「同クラスで正方形のフットプリントを持つのはこの製品だけだ」(廣田周吾技術部長)という。
四輪駆動である独自の「オムニホイール」を採用しており2輪駆動と違い、全方向に姿勢を変えずに移動できる。また傾斜(6度)、溝(30㍉)、段差(15㍉)やグレーチングなどでの走破性が高い。
■コストダウンに自信
この機能を活かし、かご台車をけん引するパッケージを提案。既存取引のある産業機器工場の自動化だけでなく、物流倉庫などの新市場を狙う。2輪タイプAMRの場合、高速道路の合流や縦列駐車のようにアプローチのスペースが必要だった。「AiTranなら真横に移動できる」(廣田氏)とし省スペース化が図れる。物流施設向けでは他に類がないと同社はいう。
旧機種は高機能ゆえに価格が足かせになった。「2輪駆動に比べコンポーネントが多い4輪駆動はコスト的に不利ではある。旧製品は『イニシャルは高いが生産性改善で取り戻せる』というセールスアプローチだった。今回はロボットコントローラーの知見なども活用し、販売価格でも2輪駆動と戦えるまでコストダウンした」(拝野栄二企画部長代理)と自信を見せた。
(日本物流新聞2025年3月25日号掲載)