山善、ものづくり産業の課題と対策調査
- 投稿日時
- 2024/12/30 09:00
- 更新日時
- 2024/12/30 09:00
人材不足、エネルギー価格高騰も
山善は12月5日、「第1回 ものづくり産業 業種別課題と対策調査」を発表した。実施期間は8月2~5日、インターネットでモノづくり産業主要7業種(一般機械、電気機械、輸送用機械、鉄鋼業、化学工業、非鉄金属、金属製品)各100社に携わる管理職以上の責任者700人を対象に実施。
業界全体では「以前から直面している課題がある」と7割超が回答。直近3年以内の課題と、それ以前から直面している課題は、共に「人材不足への対応」が1位となった。対応策として「正社員の採用対象層の拡大」がトップに挙げられた。直近3年以内に直面した課題として「エネルギー価格高騰への対応」「AI活用」「人件費高騰への対応」が浮上。
業種別の課題比較では、一般機械で「生産現場の環境改善」が上位にラインクイン。また「IT活用/DX推進」と回答した割合が、全業種で最も高い約4割に上った。輸送用機械では「AI活用」「カーボンニュートラルへの対応」の割合が全業種で最も高くなった。金属製品【上表】では「人材不足」「原材料価格高騰」「人件費高騰」「後継者不足」の課題がどの業種よりも高く、「エネルギー価格高騰」「物流費高騰」も上位に。産業ソリューション事業部・奥山真吾戦略企画部長は「金属製品業界は中小企業の課題が集約されている。職人の個人スキルによって業務を進めるケースが多く、定年退職=技術の喪失になる可能性が業界の課題でもある」と警鐘を鳴らした。
モノづくり産業の課題に対するサービスや製品についても「今年2月より開始した複合型SaaSプラットフォーム『ゲンバト』は図面管理や不良記録などをウェブ上で一元管理でき、DX推進や業務効率化に役立つ。このほかTFS支社は8月に『協働ロボットテストラボ』を新大阪に移転、拡充し、自動化・省人化推進に力を入れる。オリジナル商品では、電動モビリティユニットに自律移動ソフトウェアを搭載したAMR(牽引タイプ)や、オールインワンパッケージで低コストで導入できるAI画像検査装置『EYEbeGenesis』は部品の外観検査に留まらず、食品ラベル検査に対応したシリーズを展開する」(奥山戦略企画部長)と紹介した。
山善 産業ソリューション事業部 奥山真吾戦略企画部長
(日本物流新聞2024年12月25日号掲載)