「D-Arc」が鉄骨向けに
ダイヘンは、厚板溶接の高効率化を可能にした「D-Arc溶接法」で(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。建築鉄骨向けに適用範囲が拡大されたことで、普及に向けた提案を加速させる考えだ。
D-Arcは、半自動溶接350~500Aの電流域において、深い溶け込みと低スパッタを可能にした接合方法。従来の直流モードで6パス必要だった板厚19?_の溶接を2パスまで低減できるのが特長。高能率アーク溶接システムとして、様々な業界に提案してきた。
ただ、建築鉄骨業界では、建築工事標準仕様書(JASS6)で入熱制限や開先形状が規定されていることから、D‐Arcが適用できるのか判断できず、導入に踏み込めないケースがあった。ダイヘンはJASS6の規定範囲も含めて適用範囲を拡大し、性能証明を取得。溶接継手の狭開先化、溶接施工の効率化を図った。
性能証明取得にあたって実施した溶接確認実験では、日本鋼構造協会「標準試験マニュアル」の標準性能である吸収エネルギー27J(0℃)を満たすことを証明した。「証明用データとして、マニュアルの特別性能である吸収エネルギー70J(0℃)を上回る結果を得ている」という。
(2021年3月25日号掲載)