ジェイテクトマシンシステム、ウエハー2頭同時加工の研削盤
- 投稿日時
- 2024/12/25 09:06
- 更新日時
- 2024/12/25 09:10
高出力モーターで高精度かつ安定加工
ジェイテクトのグループ会社のジェイテクトマシンシステム(大阪府八尾市、宮藤賢士社長)は11月下旬、パワー半導体材料となるSiCなど硬脆材料ウエハーを2頭同時加工する研削盤「DDT832」を開発した。
開発コンセプトを「POWERFUL &COMPACT」とした同製品は、2頭同時研削による時間短縮だけでなく、主軸サイズアップによる高出力化や独自設計のコラム形状によってスリム化を実現。「生産性向上と、8インチ硬脆材料ウエハーの高精度加工、機械設置面積の削減をかなえる研削盤」(同社)と言う。
ウエハー研削は粗加工と仕上げ加工の2工程があり、1頭加工機を2台設置するか、工程ごとにといしの交換が必要だった。2頭加工機1台で両工程の同時加工が可能で、1頭加工機と比べ加工時間が半減するなど大幅な時間短縮をかなえる。
また主軸は「業界最大クラス」(同社)の高出力モーターを内蔵し、低速回転から高速回転までといし切り込みの高トルク性能を維持できる。難削であるSiCなど硬脆材料ウエハーに対しても高精度かつ安定的に加工が行える。
同社独自設計のコラム形状で、2頭のコラム幅を短縮。そのほかの内部構造設計も従来の1頭加工機と比べ、横幅・奥行・高さすべてでサイズダウンし、最小クラスの2頭加工機として設置面積の削減に貢献する。
同社は「半導体市場拡大とともに、SiCなど硬脆材料ウエハーの加工ニーズは高まる。国内に限らず半導体を製造する世界中のお客様に、高生産性や省エネに貢献する研削盤を提案する」(同社)
(日本物流新聞2024年12月25日号掲載)