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山善、主力海外メーカーの会合、3回目の総会

投稿日時
2024/11/18 18:00
更新日時
2024/11/18 18:00
【写真左】山善・岸田貢司社長、【写真右】山善・中田公也副本部長

4つの指針で海外生産財の強化へ

山善は1028日、生産財事業の海外向け主力メーカーで組織する山善海外メーカー顧問会の第3回総会を大阪市内で開いた。5991人の経営トップらが出席。山善は海外の支社長・現法長ら13人全員が参加し、各地域の市況や戦略を語った。 

登壇した沼田恵明会長(=ミツトヨ社長)は「今後の成長市場として期待されるのは海外。山善さんと我々メーカーがグローバルで一丸となり、お客様の最適解をタイムリーに提供することでチャンスを掴みたい。会の目的もまさにここにある」と語った。 

山善・岸田貢司社長は海外事業の業績と方針を明かした。20243月期の海外生産財の売上高は約810億円(233月期は約963億円)。「まだら模様の経済から、山善が突出するためのジェットエンジンのような事業部が海外生産財であるべき。大きく伸びるため4つの指針を掲げている。ターゲット市場の地理的拡大と、市場の多様化への対応、経営の現地化、仕入れ先メーカー様との強固なパートナーシップ構築だ」 

山善・営業本部の中田公也副本部長が語ったのは具体的な目標や戦略だ。「昨期の海外生産財事業は外部環境の変化の影響を受けたが昨年より変化に対応した策を打ち、その効果が今期に出始めている。特に新たな市場の受注は回復が顕著だ。今期、海外生産財事業は売上890億円を目指す」と言う。

事業方針として変化をいち早く察知し、既存事業を深掘りしながら伸び行く新たな市場を開拓する。「そのための柱として、世界のモノづくりを網羅する圧倒的なネットワークの構築を掲げている。世界中のモノづくりがある場所に拠点を配置し、現場に寄り添い据付・アフターサービスも含めたエンジニアリング機能を築く。急成長しているインド市場と今後、製造業の伸長が予測されるEMEA(欧州・中東・アフリカ)市場への展開には特に注力していく」 

具体的な取組みとして、昨期から国境を越えた「クロスボーダー戦略」を推進。60年以上にわたり培ってきた実績とネットワークを活用し、国境を跨いだ設備導入支援・技術サポートを行っている。7月には移転を検討中の中国企業対象に視察ツアーを実施した。進出前から関係構築し需要を取り込むこのスキームは他地域にも展開予定。また現在は海外で337人のエンジニアを展開するが、技術の底上げを実施。自動化や複数メーカーの製品を組み合わせた対応、製品据付時に必要な現地での加工・調達も含めた「商社としてのエンジニアリング力」を培う考えだ。

拠点拡充も相次ぐ。中国では社会貢献とビジネスの好循環を目指し、福建省に産官学連携でテクニカルセンターを新設。北米ではポートランド・ミネアポリスに拠点を設置。インドネシアではスラバヤとバタム島に拠点を設置した。インドでは25年末までに複数の拠点の開設を目指す。他にも、下期にはEC事業やグリーンビジネスなどの取組みも本格的に進めていくという。


ミツトヨ 沼田 恵明 社長

インドはジェットエンジン


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沼田恵明会長(=ミツトヨ社長)

「この1年を振り返ると、インドだけはとにかく忙しくしている」とミツトヨの沼田恵明社長は言う。「『インド一強』と言うべきか、当社の場合は1カ国で東南アジア6カ国の売上に追いつくほどの勢いで、明らかにインドが成長エンジン。ジェットエンジンに近い状況で伸びている」 

ビジネス環境はいまだ不透明だが、海外市場には他にも浮揚の芽がありそうだ。 

「先般開かれたIMTSやドイツのAMB、中国・深圳のオプトエレクトロニクス博覧会は大変盛況だった。決してお客様は投資に後ろ向きではないと感じる。ただお客様は人手不足による省人化・自動化とは別に、新素材や新工法、カーボンニュートラル対応、原材料に伴うコストダウン、地政学リスクへの対応と今まで以上に多岐にわたる課題に直面しており、悩みながらもさらなる生産性向上に向けた設備投資の最適解を求めている。JIMTOFMETALEXにもそうしたお客様が国内外から来場されるだろう」


1028日の第3回山善海外メーカー顧問会総会で)



(日本物流新聞1110日号掲載)