微細加工工業会、加工精度規格づくり目指しサンプル開発
- 投稿日時
- 2024/12/17 09:00
- 更新日時
- 2024/12/17 09:00
(一社)微細加工工業会(会長=関聡彦・hakkai社長)は11月22日、微細・精密加工分野の精度規格の指標となる微細・精密加工サンプル「ビサイ・グリッド・パッケージ」の第一弾シリーズを開発したと発表した。一部サンプルの販売を始める。
寸法や角度の基準は製造技術の根幹を支えると言っても過言ではない。だが、長さ寸法に対する公差(JIS B4045)や平面度、直角度などに関しては1991年に日本工業規格で定められた水準から30年以上改定されていない。微細加工工業会は「規格の意味が失われた中で実際の現場では、各社毎、設計者ごとの知識で寸法公差を記して対応しており、これが高度な技術の共有化を阻害している」と言う。
工業会は2022年7月、「微細・精密加工規格部会」(部会長=三重野計滋・ワークス社長)を発足し、精度規格づくりを目指してきた。発表したパッケージは会員企業が実際に「現在の最新技術」で製作した実サンプルとその測定結果を格納したUSBメモリーで構成する(ミクロ発條の「微細コイルばね」、エルグおよびワークスの「小径止まり穴めっき加工」、ワークスの「サブミクロンピンゲージ」、アイジーエヴァースの「ポケット加工」の4種)。
サンプル販売は製造元の各会員企業が行い、年10~20件の受注を目指す。今後毎年3種類ほどのテーマを増やす考えで、「既存各テーマの素材違いや技術が進んだ段階で見直しを行い、『微細・精密加工』分野でのデファクトスタンダードの創出に貢献する」としている。
(日本物流新聞2024年12月10日号掲載)