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クリナップ、防災イベントに移動式キッチン

投稿日時
2025/02/26 09:00
更新日時
2025/02/26 09:00
ろ過装置の機構に関心を持つ中学生もいた

東京都練馬区の豊玉中学校で

クリナップは118日、練馬区立豊玉中学校区域の町会が主催した「中学生と学ぶ防災訓練」に参加した。昨年3月に発表した移動型キッチン「モビリティキッチン」のプロトタイプを持ち込み、練馬区立豊玉中学校の生徒約40人と地域住人150人ほどに向けて、実地体験や調理デモンストレーションなどを行った。

モビリティキッチンは、キッチンを通じて生活・社会・地球が豊かになることを目指す「未来キッチンプロジェクト」で開発中の「次世代キッチン」の一つ。『いつも』だけでなく『もしものとき』にも対応できるよう移動型とした3つのユニット(シンク、ワーク、IHコンロ)からなる。シンクユニットには循環ろ過装置を搭載しており、水道設備がない場所でもペットボトル1本分(2㍑)の水だけで繰り返し使うことができる。

同社の藤原亨常務執行役員は「手洗いに30秒かかったとすると一般的な水道でどのくらいの水が必要になるでしょうか」と生徒に問いかけ、「だいたい5㍑くらい使う計算になります。今日お集りの40人全員が手を洗おうと思うと200㍑必要になります。本製品であれば何回洗っても2㍑。災害時だけでなく、地球環境にとって水資源は非常に大切です。そうしたところにも貢献していけたら」と説明。中学生たちからは「エコだね」といった声が漏れるとともに、ろ過機構に対し興味を持つ様子がうかがえた。

また、会場では地域の住人からも大きな注目を集め、「プールの水は使用できるのか」や「何回使えるのか」といった災害時を具体的に想定した質問が飛ぶとともに、同社の製品に馴染みのある住人がファブリック調の質感や調理のしやすさを確かめる様子も見られた。

本訓練は中学生が主体となって避難所運営を行うことを想定したもの。同日は、アルファ米を使った炊き出し体験や避難者の誘導、日本赤十字社による災害物資の仕分け作業を疑似体験できる防災教材「みんなでわけよう」を活用した学習などが行われた。

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クリナップの藤原亨常務執行役員

日本赤十字社の青年ボランティア課の藤嵜香奈恵さんは「災害発生時、大人は仕事や自宅・職場の復旧活動に出てしまうことも多い。日中の避難所はほとんど高齢者や子供だけになってしまう状況が過去の災害でも見受けられた。そこで活躍が期待されるのが中学生や高校生」と、実際の被災地の様子をもとに中学生が災害対応に参加する重要性を説いた。

豊玉中学校の慶野富士夫校長も「学校はここに位置しているが、人は流れていってしまう。災害時には地域を良く知る子供たちと地域、クリナップなど民間企業が学校を通じて関わり合っていければ」とし、中学生が地域の担い手となれる新しい防災・減災の形を提示した。

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調理デモンストレーションの様子

(日本物流新聞2025225日号掲載)