クリナップ、システムキッチン「ステディア」刷新
- 投稿日時
- 2025/09/23 09:00
- 更新日時
- 2025/09/23 09:00

天然木ワークトップと新排水機構を投入
クリナップは8月27日、都内で記者説明会を開き、大幅に刷新し9月1日から受注を始めた主力システムキッチン「STEDIA(ステディア)」を披露した。
刷新の柱は2つ。1つが朝日ウッドテックと共同開発した天然木ワークトップ。木目の美しさと滑らかな質感が特徴で、製品ごとに異なる表情を持ち、世界に1つだけのキッチン空間を提供する。
竹内宏社長は「(社員には)いつもクリナップらしい商品を出して欲しい、そしてクリナップにしかない商品を開発して欲しいと話している。天然木のワークトップは業界初。見栄えだけではなく手で触れた時の滑らかな質感が他の製品とは違う。是非体感いただきたい」とコメント。
開発を担当した同社・常務執行役員の藤原亨氏も「社内向けの商品発表会の際、話を聞く社員たちがずっとキッチンを触っていたのが印象に残っている」と話し、「天然木のワークトップが提供できる価値は、『愛着』だと思う。これまでの当社が強みとしてきたキレイが簡単に長持ちするといった提供価値とはある種真逆」と指摘。どう社内でかみ砕き顧客に落とし込むかが重要になるとの認識を示した。
天然木ワークトップは、朝日ウッドテックの内装用造作材「WOODRIUM」をベースにキッチン向けに開発し直した。通常よりも厚みのある挽き板を使用するとともに、一般的な天然木製家具の約2倍以上の膜厚と割れにくい中塗り層によって、質感とキッチンで使用できる水準の耐久性を兼ね備えた。カラーバリエーションはオーク/ウォールナット/オークグレーの3種。
朝日ウッドテックの海堀直樹社長は開発できた理由について「我々はJIS(工業規格)ではなくJAS(農林規格)の世界に生きていている。クリナップ様から試験項目や数値をオープンにしていただいて、塗料メーカー様などに協力いただくことで、3年かけて木質感を損なわずに、耐水性、耐熱性を確保したワークトップへと至った」と話す。
■排水トラップの清掃性向上
柱の2つ目が機能面。新たに標準搭載する排水トラップ「かってにクリントラップ」は、手入れの負担が大きい排水口の清掃性に着目し開発した。1日3回のタイマー運転で排水トラップの側面から水を噴射して渦状の水流を発生させることで、トラップ内部の汚れた水を入れ替えぬめりの発生を抑制。手入れの手間を軽減する。同社担当者は「キッチンと生活する場所が近くなっている。におい対策は非常に重要」と開発背景を語る。
他にも、ワークトップと同様の仕上げを行った「天然木ライフテーブル」や「天然木シェルフ」、シーンに合わせて見せると隠すを切り替えられる「ディスプレイ引き戸タイプ(フラット対面/デュアルトップ対面ロータイプ用)」を新たにラインナップに追加すると共に、CENTROで好評の硬質アクリル系人工大理石「フォルテックス」を、ステディアのワークトップやシンクにも展開する。天然木ワークトップは、全国に101ある全ショールームに用意。9月19・20の両日には各ショールーム内で「キレイ体感フェア」を開催する。
新ステディアについて説明する竹内宏社長
(日本物流新聞2025年9月10日号掲載)