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タカラスタンダード、ホーロー生かし「宇宙プロジェクト」始動

投稿日時
2026/01/14 09:14
更新日時
2026/01/14 09:18

タカラスタンダード(株)

ホーローの熱真空試験の様子

月の砂用いた製造研究も

システムキッチンやバスなど住宅設備機器を手掛けるタカラスタンダードは、110年以上にわたり培ってきたホーロー技術を生かし、宇宙関連事業への参入を目指す「宇宙プロジェクト」を始動した。住宅設備機器に次ぐ新たな事業の柱の創出を見据え、同社独自の技術アセットの応用可能性を探る。

同社は20251月に「ビジネスディベロップメント本部」を新設。既存事業にとどまらず、長年蓄積してきた素材・製造技術を異分野に展開する体制を整えてきた。今回の宇宙プロジェクトは、その象徴的な取り組みの一つとなる。

ホーローは、耐久性、耐腐食性、清掃性に優れる素材として知られ、過酷な環境下でも安定した性能を発揮する。同社は宇宙空間を想定し、真空および極端な温度環境を再現した「熱真空試験」や、ロケット打ち上げ時の強い振動を想定した「振動試験」を実施。その結果、同社のホーローが宇宙環境下でも活用できる可能性が高いことを確認したという。

さらに、月面で現地調達が可能とされる「レゴリス(月の砂)」に着目。レゴリスは主にガラス質の微小粒子で構成されており、ホーローの釉薬であるガラスフリットの代替材料として利用できる可能性がある。これを応用することで、ホーローの耐熱性や耐久性を生かした月面基地の建材や、清掃性・衛生性が求められる宇宙モジュール内部の内装、水回り設備などへの展開を視野に入れる。

同社は、今後国内外の研究機関や関連企業との連携も視野に入れ、ホーローの新たな可能性を追求していく。その推進のため、ビジネスディベロップメント本部と研究開発本部による『宇宙プロジェクト』を始動した。

今後は、放射線試験など追加の環境試験を実施し、宇宙環境におけるホーローの適用性能をさらに検証する。また、レゴリスを用いたホーロー生産の可能性や、通常は高温焼成炉を用いるホーロー製造について、宇宙空間を想定し太陽光などの熱エネルギーを活用する新たな製造方法の検討も進める方針だ。

同社は2030年までに宇宙空間でのホーロー用途開発を進め、宇宙マーケットが本格化すると言われる2030年以降の社会実装を見据え、2035年度からの事業収益化を目指す。

タカラスタンダード02.jpg

レゴリスホーロー

 

(日本物流新聞2026110日号掲載)