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防犯に製造業の知見を

投稿日時
2024/11/18 18:00
更新日時
2024/11/18 14:47
防犯用に設計された柵「護衛門」。室内から取り付ける形だ

工事不要、即組立の柵を設計企業が開発

 昨今、首都圏などで急増するいわゆる「闇バイト」による無軌道な強盗事件。何の落ち度もない無辜の市民がある日とつぜん被害に遭い、最もひどいケースでは命まで奪われるという事態に全国で緊張感が高まっている。犯行グループは強盗に先んじて下見を行うことも多いとされ、この際に「押し入ることが難しい」と彼らに思わせることが我々市民の側ができる最大の自衛手段だろう。「この状況下で、我々の力を役立てたい」と、グローバル(名古屋市港区、052-651-5084 )の小塚安代社長が名乗りを上げた。
 同社は主に自動車業界の生産ラインを手がける機械設計の専門企業。クルマの生産ラインは高い合理性と安全性で知られ、納入される機械は構造的にも堅牢なものが多い。防災士の資格も持つ小塚社長はその理に叶った機械設計の知見を、防犯や防災など暮らしにかかわる分野で役立てたいと以前から考えていた。そうして生み出されたのが防犯柵の「護衛門シリーズ」。「機械設計の知見を注ぎ込みました」と小塚社長は笑みを見せる。

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外から見ると網目が見えるため侵入の抑止力に

 転落防止・防犯柵はメッシュ状の柵を窓の内側、窓枠にポンとはめ込むように取り付けるだけだ。工事はもちろんボルトナットも不要で、実演も見せてもらったが10分あれば組み付けが終わりそうだ。にもかかわらず、80kgの荷重をかけても外れない強度が名古屋工業試験場での耐久テストで確認されている。「外からもメッシュの柵が視認できるため、防犯対策を行っている家として強盗や空き巣などの犯罪抑止効果が期待できる。子供が不用意に体重をかけても窓の外に転落する危険がなく、転落防止用の柵としても使える」と言う。もちろん、80kgの力に耐えるため、もしそれでも強盗に入ろうとしても、窓に侵入を阻まれることにはなりそうだ。

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取付は下側のジャッキを回し突っ張るだけで完了する

 すでに展開を始めており、「幼稚園で、防犯目的に採用された例もある」と小塚社長は明かす。「サイズは窓枠寸法に合わせて個別に作り込める」とのことで、これも設計を手がける企業ならではかもしれない。「今はこれだけ物騒ですから防犯は重要です」
 ちなみに価格は標準で61600円(税込・ダブルタイプ)ほどだそうだ。機械設計者が本気で考えた「見せる防犯」。これが強盗被害の抑制につながることを、小塚社長は願っている。

(2024年11月掲載)