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ナガセインテグレックスがAI研削盤開発、研削の非熟練化へ

投稿日時
2025/11/14 10:00
更新日時
2025/11/14 11:23

(株)ナガセインテグレックス

超精密門形平面研削盤「SGX-126α」。MECTでは同機を「AI研削盤」仕様にした

ナガセインテグレックスは熟練が必要な研削加工を、AIで簡易にするAI研削盤を開発、1025日まで名古屋市で開かれたメカトロテックジャパン2025MECT)に参考出品した。人の知見に頼っていたシステム構築、加工条件の設定や加工中の条件変更をAIが支援。同社機の特長である超精密加工の非熟練化、自動化、生産性の向上を可能にする。

AIの機能は大きく「(1)加工システム推奨」「(2)加工条件最適化」「(3)熟練者の知見示唆」の3つ。(1)は同社のデータベースとユーザーのデータを元に、要求する精度や平面度に適したマシン、砥石、保持方法など超精密加工に必要な諸要素と、加工条件をAIが推奨。加工条件に基づく結果のシミュレーションもできる。(2)は加工機のセンシングデータを元に、加工中に適切な条件の補正をAIが提示。(3)は「超硬加工で切込み量を上げられない場合どう考えるか」など、状況に応じた熟練者の思考の流れをAIがオペレーターに教える。

長瀬幸泰社長は「AIやセンシング技術の活用で非熟練化を加工現場にお客様に合わせて徐々に届けられる段階に達した」とする。MECTではAI研削盤に加工中の研削抵抗を測る「NPXスピンドル」を搭載し、センシング情報からワークの真直精度を予測してみせた。

MECTでは砥石表面を精密に観察できる「GRIDE EYE」を使い、加工中の砥石の状態を研削液がかかる状態で可視化する技術も披露。加工中の砥石観察は「業界初」という。今後はGRIDE EYEも含めた様々なセンシングデータを元に、研削盤が自ら加工条件を調整し自律的に加工する構想を描く。

(日本物流新聞20251110日号掲載)

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