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アマダ、技術センター活用し契約単価5割増

投稿日時
2025/06/20 09:00
更新日時
2025/06/20 09:00
ファイバーレーザー加工機「ORSUS-3015AJe」

M&Aでエレクトロニクス市場参入

アマダは522日、神奈川県伊勢原市の本社内の技術提案施設「アマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC)」(20232月開設)で開く体感イベント(515日から627日までの計19日間)に合わせて報道陣に内容の一部を公開した。AGICは顧客専用の研究9室と測定1室で構成する「Innovation LABO」、自社製品90機種超を展示する「Innovation SITE」などで構成。20232月の開設から2年余で約8300社(うち海外600社)、約18千人(1200人)が来場した。山梨貴昭社長は「製造業の様々な課題をここでお客様とともに探求してきた。24年度の連結売上高3966億円は2番目の高水準。契約ヒット率(18年度31%24年度44%)、契約単価(3700万円→5700万円)の上昇は狙いどおりの効果」と胸を張る。

AGICでの顧客との検証実績として最も多い加工は溶接で、24年度は前年度より3ポイント多い48%を占めた。これに3次元レーザー複合(34%)、パンチ複合(8%)、レーザー(6%)、ベンディング(4%)と続く。岸本和大イノベーションセンター長はAGICの役割について「半分はマーケティング。技術開発の場でもあり、大手客と上流工程を研究し設計から変えていく」とする。

AGICの活用とともに力を注ぐのはM&Aによる新市場の開拓だ。大型プレスマシンをもつエイチアンドエフの買収でプレス事業を強化するとともに、ハイエンドの基板穴あけソリューションをもつビアメカニクスを取り込み(株式譲渡は7月の予定)半導体市場に本格参入する。山梨社長は「エレクトロニクス市場に参入し、30年度には売上高5000億円、ROE(自己資本利益率)10%以上を目指す」と言う。

近年同社は26キロ、15キロワットの高出力ファイバーレーザー加工機を投入しハイエンド商品を充実させてきた。一方で海外市場を睨みミドルレンジも強化。ファイバーレーザー加工機「ORSUS-3015AJe」(最大加工寸法3070×1550ミリ)とベンディングマシン「SRB-1003」(加圧能力1000kN、曲げ長さ3110ミリ)を主に北米、欧州、アジアに6月から投入する。前者は368キロワットの発振器を揃え低重心キャレッジの採用で高加減速に対応。後者は左右独立制御油圧シリンダーとナチュラルクラウニング機構の組合せで高い通り精度を実現する。

アマダ・技術センターAGIC活用し契約単価5割増P1.jpg

山梨貴昭社長

(日本物流新聞2025610日号掲載)