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アマダ、本社内展示場で新製品披露

世界最高出力4kWのブルーレーザー発振器をもつ3次元レーザー統合システム「ALCIS-1008e」

溶接事業を強化

 アマダは516日、神奈川県伊勢原市の本社内に昨年2月に開設した技術提案施設「アマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC)」で開く体感イベント(517日から613日までの期間に6回開催)を前に報道陣に内容の一部を公開した。AGICは顧客専用の研究9室と測定1室で構成する「Innovation LABO」、90機種超を展示する「Innovation SITE」などで構成し、この1年間で約5千社、1万人が来場した。山梨貴昭社長は「ラボでは発表前の製品などを披露し、お客様の声をきっちり聞き、ニーズとシーズのかけ合わせを行っている。これまでに100のテーマの検証を実施してきた」と言う。
 訪問客の相談で最も多かったのは溶接で実に66%を占め、次いでブランク(20%)、ベンディング(14%)だった。溶接分野の関心が高い理由について岸本和大イノベーションセンター長は「自動化率が低く、前工程の影響を大きく受けるからだろう。たとえばEVモーターには100カ所ほどのヘアピン溶接加工を速く的確に行う必要がある」と話す。
 この4月にアマダウエルドテックを吸収合併した同社は溶接事業を強化中だ。それを象徴するのが昨年10月にPhotonix(光・レーザー技術展)で披露した3次元レーザー統合システム「ALCIS-1008e」(参考出品)。4?`ワットのブルーレーザーとファイバーレーザーの2種の発信器を切り替えられるほか、切断、積層造形もこなす。EVモーター用の72カ所のヘアピン溶接は3Dヘッドを用いて16秒で行えたことを一例として示した。今春発売を予定していたが、梅田吉朗・新規事業推進部門長は「フォトニクスで実施した68件のヒアリングのほとんどは溶接に関するものだったので、溶接機能を強化した。これはほぼ完成しているが、切断と造形で検証作業が残っており今秋あたりの発売になるのではないか」と説明した。
 このほか省スペースの369?`ワット仕様のファイバーレーザーマシン「ENSIS-3015AJe」、それに接続でき機上のデッドスペースを活用できるパレットチェンジャー「CREST-3015」、48軸制御のEV用セグメントコンダクタコイル加工機「ES-1A」などを初披露した。

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(写真=「Innovation LABOは世の中にないものをつくっていく旗印」と話す山梨貴昭社長)

2024525日号掲載)