
昇降作業をより壁際近くに
「発売以来、右肩上がりの売上げ」(営業本部営業企画課増田大季商品担当マネージャー・以下同)というアサダの電動ワイヤーアッパー「UE40CW」。主に空調の室内機、室外機などを設置する際に使われるアッパーは、従来エアーや炭酸ガスを用いたものが多かったが、電動化によりスムーズな昇降作業が可能に。最高高さが3.78m(延長アダプタ使用時3.91m)で最低高さは1.19m(同1.32m)と、㍉単位で高さ調整が行え作業性が大幅に上がった。「ワイヤーウィンチ式のため急な飛び出しがなく安全に使える」と安全面においても引き合いが多い。
電動アッパーの開発以来、ラインナップを増やしてきたアサダ。特に4年前に発売したUE40CWは「爆発的な売れ行き。量産しても量産分が毎月捌けていき、工場が困っているほど」と好調ぶりを表す。
支持される理由は、脚の形状の変化だ。従来製品はカメラの三脚のように脚を広げるため、「壁際での作業時、先に脚が壁に当たる。室外機と壁の間に隙間ができてしまう」が、UE40CWは脚を1本折り畳んで作業が可能。脚の幅がなくなり、壁に寄せ近づけて作業できる。折り畳みはワンタッチ、脚を一つ閉じても安全に昇降できる新設計。折り畳み時に運搬も容易で、サイドクローラー付きで車載時も積み下ろしも楽に行える。
製品発売から着々と認知度を高め、SNS戦略も奏功し売上が拡大。「アンバサダーによる現場での使用シーンを見て購入を決める方も多い」と話す。
最近では空調機関連以外にも売上げが増えている。「例えば天井のダクトの据え付け。電動アッパーは機械ごとに昇降スピードのバラつきがないため複数台のアッパーを一気に上げ、そのまま施工できる。天井にボードを貼る大工さんや物流倉庫、米農家の人にも使っていただいている」と高所への重量物搬送ニーズに広く応える。
(日本物流新聞2025年4月25日号掲載)