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広島どてらい市、地元のポテンシャル活性化の場に

投稿日時
2025/03/31 09:00
更新日時
2025/03/31 09:00

株式会社山善

【左】山善・岸田貢司社長、【中央】やまびこジャパン・水嶋伸介社長、【右】シージーケー・下河内一成社長

展示商談会「広島どてらい市」(販売店19社が主催、出品メーカー157社)が、37~8日、広島市中小企業会館(広島市)で開かれた。2日間で2399人が来場、受注額は20364万円(計画20億円)となった。

開会式では主催店を代表してシージーケーの下河内一成社長が「広島では3月に広島駅が改装オープンし、紙屋町・八丁堀エリアの再開発もスタートする。建設関係は好況だが、自動車では型式申請の不正問題などの影響が大きい。今年はマツダの新車開発と上市による生産・景気回復効果に期待感がある。情報交換し、商品の良さを納得して買っていただけるどてらい市で、購入意欲をさらに高めていただく」と挨拶。出品メーカーを代表してやまびこジャパンの水嶋伸介社長は「広島県内企業の投資マインドは底堅く、全体的な設備投資は堅調な推移が予想される。人手不足を起因とした供給制約による景気への悪影響を回避することが重要で、省人化・効率化に向けたサービスで課題を解決していくことが大切」と呼びかけた。

事務局本部を代表して山善の岸田貢司社長は「AI・半導体分野は非常に大きな商機として期待しており、いずれ必ず波がくる。日本の活力を取り戻すためには、地方に眠る潜在力を高めることが日本全体の活力につながる。どてらい市は地域活性化のリアルプラットフォーム。『見て、触って、確かめる』の中で買っていただく機会を提供し、どてらい市50年を進んでいく」と鼓舞した。

■地方の現場ニーズに注力

ユニパルスは電動バランサ「ムーンリフタ」を紹介、現場の負担軽減をPRした。指一本の力で位置や速度をコントロールでき、無重力のような独特の感覚で来場者を驚かせた。センサで常に重さを検知し、重さや形の違うワークにも柔軟に対応できる。「2㌧対応の重量タイプまで揃えているが、繰り返し作業で足腰に負担が積み重なりやすい40㌔対応の軽量タイプが売れている」(担当者)。河原はステンレスリフト「サスケシリーズ」を出品。耐食性が高く静電気が起きにくいステンレス仕様(SUS304)で、300~2㌧までをラインナップ。「食品工場や半導体、クリーンルームに向いている。重量のある肉を切り、そのまま水洗いが可能。腰の高さに調整し作業台として使え、腰への負担が少ないと好評だ」(担当者)と紹介した。

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ユニパルスの電動バランサ「ムーンリフタ」は工場、食品、物流の現場に幅広く導入されているという

ワイヤ・レーザー金属3Dプリンターのワークを並べたのは三菱電機メカトロニクステクノロジーズ。「溶接用ワイヤを用いレーザー光で肉盛りするワイヤ・レーザーDED方式は歩留まりがよく、材料の管理も比較的容易。中国地方は自動車含めエネルギーや航空機などが多く、ワークが大きい傾向にある。大型ワークの肉盛りもTIG溶接と比べ短時間で済む」(担当者)とメリットを説明。

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三菱電機メカトロニクステクノロジーズは「複雑なねじれ形状や異種材の肉盛りなど幅広い用途に使える」(担当者)とワイヤ・レーザーDED方式のAM機によるワークを展示(手前3点とその左上1点)

シージーケーは手動式のシャーリング・ベンダー「BeGeN(ビーゲン)」を展示。小型ながら油圧方式で高出力を実現し「小物や少量の切断や折り曲げを1台で行え、研究所や医療機器のちょっとした金具を曲げるなどに最適」(担当者)と、手近にあれば便利な一台と話す。シギヤ精機製作所は主力機種で小物の精密加工が行える円筒研削盤「GPL―20B.50」を実機展示。実は数十年ぶりという中国地方のどてらい市の出展について「市況が良くないなか、展示会に出展し認知度を上げることが重要。地元で開かれる展示会のポテンシャルに着目し、未知の顧客に出会える場としたい」(営業部林伸昭次長)とどてらい市への期待と意欲を語った。

(日本物流新聞2025325日号掲載)