加工エリア5割増、AIも
オークマはテーブルサイズ1600×800ミリの大型立形マシニングセンタ「MB-80V」を発売した。グローバル需要の拡大が見込まれる半導体製造装置や大型金型向けに開発した。AI技術を採用し、自動化・無人化に向けた「止まらない機械を志向した」機種として提案する。
立形MC「MB-Vシリーズ」の最上位機種として、従来機比で加工エリアを54%拡大した。省スペース設計で設置面積に対する加工範囲を最大化し、面積生産性は27%向上している。主軸の最高回転速度(毎分)は、40番主軸で1万5千回転、50番主軸で1万2千回転に設計した。
50番コロ軸受を採用したことで、荒加工から仕上げ加工まで対応可能に。重切削も売りにしており、フライスによる切削量を従来機比33%増の毎分669立方センチメートル(被削材=45C材)まで増やした。
AI技術で主軸軸受やボールねじの異常有無を判断。異常の部位を特定し、傾向を見える化することで計画的なメンテナンスから機械の停止を未然に防止する。同社によれば「誰でも簡単に短時間で診断が可能」「診断に必要な計測器やスキルは不要」という。
5万台以上の搭載実績がある熱変位制御技術「サーモフレンドリーコンセプト」も採用した。温度変化8℃における経時寸法変化を8マイクロメートル(実績値)に抑えた。NC制御技術「Hyper-Surface」で金型仕上げ加工面品位の向上と加工時間短縮を両立させる。
大型部品の自動化に対応するために、切粉を堆積させない機内カバー垂直構造を取り入れ、クロスレールシャワー洗浄でワークやテーブル上の切粉を一掃させる。テーブル前後には機内ヒンジ式コンベヤを設置した。
(2019年12月10日号掲載)