省エネ・効率強化の5軸機も
ヤマザキマザックはこのほど、高速・高品質の摩擦攪拌接合(FSW)が可能な加工機「FSW-460V」を発表した。ほぼ同時期に、環境性能と生産性を強化した5軸加工機と横形マシニングセンタの新機種も相次ぎ発表。いずれも11月8日から東京ビッグサイトで開かれるJIMTOFで披露し、同日から国内販売を開始する。
FSW-460Vは、FSW加工時の高い負荷に耐えられる新開発の高回転・高剛性主軸を搭載。高速送りに対応できる独自の特殊形状ツールも採用し、従来機と比べ数倍の高速接合を可能にする。ツールホルダをIoTセンサ内蔵としたことで接合時に一定の推力を保持。ツールの折損を検知する機能も搭載し、品質の高いFSW加工を実現する。ツールホルダの自動交換機能によって長時間の連続接合にも対応。モータケースなどEV部品の量産ニーズに向け提案する。
一方、ベストセラーモデルのVARIAXISシリーズに加わる同時5軸加工機「VARIAXIS i-700 NEO」は、切削能力を上げた新型主軸をオプションのラインアップに追加。アルミニウムなど非鉄金属から鉄系金属の重切削まで幅広い加工に対応する。NC装置の加工条件設定機能に「大荒加工モード」と「平面仕上げ加工モード」の2つのモードを追加し、従来機と比べ荒加工時の加工スピードと仕上げ面の品位を向上。メンテナンスエリアを含むフロアスペースを従来機種比13%削減し、新たに省スペース型の2パレットチェンジャ(オプション)を採用するなどコンパクトな自動化システムを構築できる。
機械の消費電力は従来機種比で最大30%低減。オプションでクーラントの吐出量を調整する機能を追加し、切削量に合わせてクーラント動作を最適化することで省エネ運転を可能にする。半導体製造装置のほか、自動車部品や航空機部品など様々な分野の複雑形状の部品加工に向け提案する。
同時に市場投入する横形マシニングセンタ「HCN-4000 NEO/HCN-5000 NEO」は、油圧ユニットやチラーユニットなど周辺機器の性能を見直すことで消費電力を削減。切削量に合わせてクーラント動作を最適化する機能をオプションで用意し、消費電力を従来機と比べ46%(HCN-5000 NEO)低減する。NCロータリーテーブルを標準搭載し、テーブルの割り出し時間を短縮するなど生産の効率化に貢献する。
販売価格はFSW-460V が2930万円、VARIAXIS i-700 NEOが4930万円、HCN-4000 NEOが3650万円、HCN-5000 NEOが3970万円から(いずれも税別)。
(2022年11月10日号掲載)