YKK AP、秋葉駅前でペロブスカイト内窓実証
- 投稿日時
- 2024/08/16 18:00
- 更新日時
- 2024/08/22 12:35
都市部の再エネ化推進
YKK APは7月25日、秋葉原駅前広場にペロブスカイト太陽電池を用いた「建材一体型の太陽光発電(BIPV)」搭載のトレーラーハウス「Akiba ZERO BOX」を設置。10月20日までの約3カ月間、BIPVを含む発電設備によって発電した電力を観光案内所として稼働するハウス内の空調・照明・サイネージなどに活用するほか、日射量や発電量のデータを収集する。
同社はこれに先駆けて、東京都千代田区と秋葉原の情報発信を手掛けるAkiba.TVと「2050ゼロカーボンちよだ」実現に向けた連携協定を締結している。千代田区内のカーボンニュートラルの実現に向けて、都市部における再生可能エネルギーの拡大に向けた取り組みを推進する。
トレーラーハウスは既存ビルへの搭載を想定して作成。屋根にはシリコン系太陽光パネルを設置、窓部には透過率40%のガラスタイプのペロブスカイト太陽電池を用いた発電設備を設置し、全体で1日平均1.2?`ワットの発電を見込む。ペロブスカイト太陽電池は耐久性などに課題があるため、既存ビルへの設置やメンテナンス性に優れる内窓タイプを採用した。
開所式で同社・取締役副社長の水上修一氏は「これまで推進してきた窓で断熱という省エネ施策に加えて、窓で発電という創エネ策を早期に社会実装し、持続可能な街づくりに貢献したい」と話す。千代田区・ゼロカーボン推進技監の川又孝太郎氏も「都心は再エネ設備の設置場所が限られる。発電する内窓技術を使えば、再エネポテンシャルは飛躍的に向上する。区有施設は30年CN化を目標に掲げている。この度の実証実験の結果を踏まえて、積極的導入を考えていきたい」と前向きに話した。
YKK AP・水上修一取締役副社長
(2024年8月10日号掲載)