大阪ラセン管工業、水素向けフレキの寿命3倍に
- 投稿日時
- 2026/06/12 09:32
- 更新日時
- 2026/06/12 09:34
高強度オーステナイト系ステンレス鋼 XM-19採用
金属フレキシブルチューブ・ベローズ製造のパイオニア・大阪ラセン管工業は、高強度オーステナイト系ステンレス鋼「XM-19」を用いた超高圧フレキシブルチューブを開発し、水素関連をはじめとする高圧ガス分野への提案を広げている。
同社の水素社会への取り組みは2002年に遡る。愛知万博(愛・地球博)での水素社会実現に向けた取り組みへ製品を提供したのがきっかけだ。それ以来、20年以上にわたって水素関連技術をコツコツと磨いてきた。
従来、水素向けフレキシブルチューブには耐食性の高いSUS316Lが広く使われてきたが、水素脆性の影響を受けやすく、高圧化や長寿命化が難しかった。XM-19は窒素、モリブデンを含む高強度ステンレス鋼で、水素脆性が起こりにくい特性を持つ。加工に通常より硬い成形リングが必要になるなど技術的な難度は高いが、同社は素材調達からチューブ成形まで独自に対応し、他に類を見ない90.2㍋パスカルの超高圧仕様の製品を実現した。
「XM-19は水素向けの配管やバルブの素材として知られた存在。水素関係をやられているお客様であれば『おっ』と思ってもらえる」(小泉星児社長、以下同)
■耐久性3倍に
性能面では推奨交換回数を従来品の約3倍に高めながら、価格はほぼ据え置く。高圧ガス機器として元から高価格帯にある製品だけに、同等コストで寿命が大幅に伸びる点は顧客にとって大きな訴求力となる。
使用用途は従来からある車載タンクの検査用ホースや、高圧の気密試験用ホースを想定するが、これまであまりなかった水素ステーションなどでの活用も視野に入れる。「3月に開かれた『H2&FC EXPO 第25回 水素・燃料電池展』では、『ここまでの高圧に対応できるフレキは初めて見た』『次回検討したい』など好反応を得た。たくさん売れるものではないが、しっかりと市場を捉え水素社会の実現へ貢献したい」と力強く語る。
(日本物流新聞2026年6月10日号掲載)