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三菱電機、11年ぶりに全国規模の自社展

投稿日時
2025/08/19 09:00
更新日時
2025/08/19 09:00
新型ワイヤ放電加工機MGシリーズの高精度仕様「MG12R」(手前、軸移動量X400・Y300・Z220mm)と「MG24R」(奥、X600・Y400・Z310mm)

板厚に応じ自動制御するワイヤ放電

三菱電機は7月29日、同社の主要製造拠点である産業メカトロニクス製作所(名古屋市)で金属加工機や自動化システムなどを紹介するプライベートショー「三菱電機メカトロニクスフェア(MMF2025)」(7月30・31日)を前に報道陣にその内容を紹介した。同社は各地で自社展を開いてきたが、全国規模のMMFとして開くのは2014年以来11年ぶり。

長谷川寛・産業メカトロニクス事業部長は「製品単体だけでなく自動化ソリューションを組み合わせたシステムとして紹介する。多くのお客様に自動化・省人化に対する最新の技術を体感いただき、課題解決につなげたい。北海道から鹿児島まで全国からの来場を予定している」と話した。2日間で1000人の来場(実際には1511人が来場)、10億円の成約を目標に掲げた。

初披露となった水加工液仕様のワイヤ放電加工機「MGシリーズ」(7月30日発売)は独自のAI「Maisart(マイサート)」が段取り、板厚によらず加工条件調整を不要にする。従来のMVから13年ぶりの新シリーズで、国内外のボリュームゾーンをターゲットとする。高橋宣行・放電システム部長は「板厚やノズル離れ量が変化しても自動制御する。鉄、超硬、銅、アルミに対応し、インコーナー、アウトコーナーの加工形状精度が向上した」と胸を張る。従来機に比べ面粗さは0.1ミクロン向上し、荒加工は約20%速くなったという。リモートによる「事前診断サービス」も用意し、「問題の特定が早くなり、お客様の機械を止めない」。本体価格は税別1980万円からで、シリーズで年間1200台の販売を目指す。

このほかファイバーレーザー加工機「ML3015GX-F200」(発振器出力20キロワット)は毎分1.2mの送りで品質を重視した切断や同2.4mで速度を重視した切断、厚みを重視した切断(軟鋼36ミリ厚)などを実演。業界で唯一の溶接用ワイヤを材料に用いた金属3Dプリンター「AZ600」の5軸制御による金型補修や異種金属造形を紹介した。

三菱電機全国規模の自社展11年ぶりP1.jpg

長谷川寛・産業メカトロニクス事業部長は「放電加工機は国内外のエネルギー関連で需要があり、インド市場も見込める」と言う。



(日本物流新聞2025年8月10日号掲載)