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ヤマザキマザック、JIMTOF後の自社展に1700人

投稿日時
2022/12/30 09:00
更新日時
2024/08/19 13:21

ヤマザキ マザック(株)

中身の濃い商談が行われた会場の様子

FSW機とサブスクサービスに注目

 ヤマザキマザックは127日からの3日間、美濃加茂製作所と工作機械博物館で自社展「JIMTOF2022アンコールフェア」を開催した。大規模な展示会の後に恒例開催しているもので、今回はJIMTOFでの出展機を中心に28台(うち7台が新機種)を披露。来場目標1200人を大きく上回る約1700人が来場した。
 会場でも注目を集めたのが、FSW(摩擦攪拌接合)加工機「FSW-460V」だ。加工時の高い負荷に耐えられる新開発の高回転・高剛性主軸を搭載し、従来機と比べ数倍の高速接合を可能にする新型機。接合時に一定の推力を保つ一方、ツールの折損を検知する機能も搭載し、モータケースやインバータケースなどEV部品の量産に向けた品質の高い接合を可能にする。
 このFSWに関し、取締役常務執行役員営業CS本部本部長の山崎真嗣氏が語るのが海外における需要の活発さだ。「FSW-460VはタイのMETALEXにも出展したが、FSWを使ったEV部品の量産がすでに現地では始まっており、実際にFSWの需要値も高い。タイのアルミダイカストメーカーが困っているのが、上流からの生産指示には『FSW』と指定があるものの、日本製のFSW機がないこと。そこで中国製のFSW機を使っているが、加工スピードが遅く、故障が多い一方で修理に時間がかかっている。FSWはもともと航空機産業で使われていたが、それが様々な産業に波及してEVでも使われるというトレンドが日本の外で起きている」と話す。
 一方、ソフトウェア領域の目玉として披露されたのが、来年4月に開始予定のサブスクリプションサービス「マザトロールDX」だ。同社はこれまでもオフィスPC上でプログラム作成や加工シミュレーションを行うデジタル段取りを推進していたが、実際には工具の突き出し量や付け忘れなどでオフィスPC上の仮想機と実機の状況に差が生じることがあったという。
 これに対しマザトロールDXでは、段取りを正確に行うための段取り指示書を自動作成して現場の工作機械のCNC上に表示。工具の状態も自動計測し、現実と仮想の乖離を防ぐことで誰でも簡単にセットアップできる。さらに3DCADデータをもとに、部品の加工時間を自動算出する見積り機能も搭載した。
 山崎氏は「我々はデジタルを活用した製造ソリューションを提案しているが、ここでいうデジタルとは町工場の方々が簡単に使えるものであるべき。そうした目線でマザトロールDXを開発した」と狙いを語った。

20221225日号)