
大型部品や長時間加工に対応
ソディックは、ワイヤ放電加工機の通電コマ自動送り機能「ACPS(Automatic Conductive Piece Shifter)」の販売を開始した。本機能は、従来オペレーターが約50時間ごとに行っていた通電コマの位置更新作業を自動化し、加工現場の省力化や機械稼働率の向上に大きく貢献する。同社のリニアモータ駆動高速・高性能ワイヤ放電加工機「ALシリーズ」に対応したオプション機能となる。
生産性向上に加え、ACPSを搭載することで通電コマのメンテナンスを考慮した加工物や治具の配置の必要がなくなり、大型加工物の設置が容易になる。また、通電コマの寿命を超えた使用によるワイヤ断線や加工精度不良のリスクを低減し、安定した長時間加工も実現する。
ACPSは加工タンク内の格納式ピンユニットによって自動送りを可能にする。これにより、上下ガイドブロック周囲の構造をシンプル化。使用しない時はピンユニットが格納されるため、ワイヤガイドとの干渉を回避し、ストローク制限が発生しない(特許取得済み)。
ワイヤ径や加工条件に応じて、自動送りまでの加工時間、実行タイミング、送り距離を自由に設定可能。0.5ミリ間隔での送りに対応し、通電コマの使用効率を最大化する。専用画面で通電コマの使用状況や残り使用可能箇所、移動動作までの残り加工時間などを簡単に確認・設定できる。
(日本物流新聞2025年7月25日号掲載)