山善、湾曲した食品ラベルをAIで認識
- 投稿日時
- 2025/03/26 09:00
- 更新日時
- 2025/03/26 09:00

包装後検査可、複数AI採用の上位モデルも
山善は2月13日、食品ラベルを高速で1文字ずつ認識できるAI画像検査装置「EYEbeGenesis TEXT」(アイビージェネシス テキスト)を発売した。一般的なOCR(光学文字認識)と比べ認識精度に優れ、ラベルに湾曲や凹凸があっても読み込めるため賞味期限の記載ミスなどを減らせる。同日、検査項目ごとに適したAIを生成することで検査の精度を高められるAI画像検査装置「EYEbeGenesis premium」(アイビージェネシス プレミアム)も発売。年間3億円の売上を目指す。
アイビージェネシス テキストは凹凸のある印字面でも英数字・漢字・カナを高い精度で1文字ずつ認識できる。汎用的な検査装置では凹凸のある印字を読み取れないため、食品業界では製品を包む前のフィルムの状態での印字検査が一般的で、今までは検査後に賞味期限が異なる商品が混入するなどのリスクを抱えていた。
同製品はメロンパンの包装ラベルのように湾曲や凹凸のある印字面も追従して認識が可能で、食品包装後に印字検査ができるため検査の信頼性が高い。AI判定・信号出力にかかる時間も約0・2秒と早く、コンベヤを高速かつ様々な向きで流れる製品を検査できる。食品以外にゴム部品の刻印などの検査にも対応する。
アイビージェネシス プレミアムは最新のAI学習モデルを搭載する。8つの学習モデルから96通りのAIモデルを生成して検査項目ごとに選んで使う「多段AI」という機能が特徴だ。例えばせんべいの焼き色と豆の多寡、欠けを1つのAIで検査すると精度が悪くなるが、多段AIでそれぞれの検査項目に最適なAIを生成することでワンパスで高い精度の検査ができる。
既存の検査装置に後付けして検査精度を高める使い方も可能。金属加工でも、切削部品の焦げや傷、打痕など様々な項目を一挙に検査するなどの用途を想定する。
アイビージェネシス テキストは湾曲したラベルの文字も読める
(日本物流新聞2025年3月10日号掲載)