GEクリエイティブ、惣菜・弁当工場特化のAMR
- 投稿日時
- 2025/05/19 09:00
- 更新日時
- 2025/05/19 09:00

エレベーター連携可能、冷凍・冷蔵エリアも
ソフト開発を手掛けるGEクリエイティブ(愛知県名古屋市)は、惣菜・弁当工場に特化したAMRをこのほど開発した。エレベーターを経由し冷蔵や冷凍庫など過酷な状況でも運用できるドーリー台車牽引型「YT-350F」とパレット搬送リフトアップ型「YL-250F」と2機種をラインナップ。(一社)日本惣菜協会が代表幹事を務める「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」を通し、食品業界でのAMRによる自動搬送を提供する。
惣菜盛付工程では冷凍庫や冷蔵庫へ搬送が必ずあり、自動搬送における結露対策は必須。カメラセンサーの温度を保つことによってマイナス25度の環境下でも結露を防ぐ。
自己位置推定精度が高いVisual型SLAMを採用し、通路の半製品や物の移動など状況の変化が特に多い食品工場でも迷子にならないロバスト性を備えた。
大径タイヤの4輪駆動と、ドーリー台車牽引型はボギーアーム構造でスリップを防ぎ、水はけ用のスロープにも高い走破性を発揮するなど、食品や総菜工場特有の課題に対応した。
AGV機能をハイブリッド仕様として搭載しガイド走行による高い停止位置精度により自動充電も行える。
「増床のため上に増築するケースが多い」という食品関連工場ではエレベーターとの連携がAMRの難所だったが、エレベーターや自動ドアとの機器連携も可能。Wi-Fiネットワークの環境構築にも対応できる。
「冷蔵庫・冷凍庫内の搬送が可能で、エレベーター連携とWi-Fiネットワーク環境の対策まで行ったAMRは惣菜業界初(日本惣菜協会調べ)。引き合いの声がどんどんきている。機器の扱いに慣れていない作業者でもボタンを押すだけで操作できるシンプルさにもこだわった」(越後巧アイキューブテクノロジ事業部部長)と自信を語る。
「システム開発を本業とする当社は、PCベースで駆動するAMRからスタートした。その特徴を生かし、今後更にシンプルな構造で小型化を進めていく」(越後事業部長)と強みを語る。
(日本物流新聞2025年5月15日号掲載)