ミツトヨは、マニュアル画像測定機の新製品「スマートビジョンシステムQM-Fit（キューエムフィット）」を、9月2日に発売した。少子高齢化による労働人口減少が課題となる中、熟練作業者の技術に依存しない高精度な測定を可能にする同製品は、製造業の省人化と生産性向上に貢献するものとして期待が寄せられる。

新製品の最大の特徴は、専門知識がなくても誰でも簡単に操作できる「置くだけ測定」機能。測定対象物をステージに置くと、内蔵された2000万画素のカラーCMOSカメラが高精細に捉え、あらかじめ登録された手順に従って自動で測定を実行。直感的なタッチパネル操作にも対応しており、煩雑な操作を排除することで、測定作業の属人化を解消する。

本体はA3サイズとコンパクトで、データ処理装置も内蔵されているため、設置場所を選ばず、工場や研究室など、スペースが限られた現場でも導入しやすい。測定範囲は115ミリ×75ミリ。時計部品や電子部品など、小型精密部品の測定に適している。

同社は「国内の製造業が直面する熟練技術者の不足という構造的な問題がある。QM-Fitは、人手不足を補うだけでなく、測定の標準化と品質の安定化にも寄与する」という。

（日本物流新聞2025年10月10日号掲載）