0.1A刻みで極薄板に対応
ダイヘンは、溶接条件の自動設定が可能な直流パルスTIG溶接機「デジタルアルゴDT300P?V」を発売した。TIGの定格出力範囲は三相で4~300A(単相~250A)。10A以下の電流域で0.1A刻みの設定を可能にしたことで、極薄板の溶接でも最適な条件合わせができるようにした。
小型と軽量を売りにしたデジタル溶接機「Dシリーズ」の新機種として9月に市場投入した。設定可能なパルス周波数を1000Hz(従来機比2倍)まで拡大。低電流域のアーク集中性が向上した。「薄板の溶接でも運棒がしやすいため、ビードのそろいが良く、焼けも少ない溶接を実現する」(溶接機事業部企画部)という。
溶接設定ガイド機能を搭載した。電極径、母材材質、溶接継手形状、母材板厚を入力するだけで、電流などの条件を自動で呼び出してくれる。条件調整を容易にし、効率化を図った。
トーチスイッチの操作なしで、出力中のアークのON・OFFを繰り返し、入熱を制御するTIGインターバル機能も新たに取り入れた。溶接技能者の負担を軽減するうえ、習熟度に関係なく安定した溶接ができるとしている。メーカー希望小売価格は空冷仕様4メートルトーチセットで税抜79万3500円。年間2千台の販売を目指す。
(2019年10月10日号掲載)