食品加工技術展、金属加工企業の参入目立つ
- 投稿日時
- 2024/12/11 09:00
- 更新日時
- 2024/12/11 09:00
食品加工技術展2024が11月22日、大阪市中央区の大阪産業創造館で開催され514人が訪れた。精密プレスで車載コネクタや電装部品の受注製造を手がける最上インクス(京都市)が放熱部品加工のノウハウを切り分けて食品向けに展開するなど、金属加工・部品製作の実績を食品加工用に応用した出展が目立った。
画像処理・外観検査システムのエーディーディー(京都市)は、自動車や電子部品などで採用が多い外観検査技術を食品向けに応用し、従来の目視検査からの自動化を提案。コンベアを流れる食品の外観を瞬時に捉え、欠陥品を排除する。一個あたり0.01秒のスピードが自慢だ。同社はシステム開発に特化し、装置は外注。このスタイルによりカスタマイズ化も強いという。中小企業だけではなく有名食品メーカーの名をあげ「大手からの採用増えている」と若手技術者は胸を張っていた。
関西エリアの表面処理・表面改質メーカーも複数出展していた。食品材料に多い粉体物は、逆円錐形の大型ホッパーから家庭にある金属のザルまでこびりつきやすく、残滓で非衛生的になりやすい。また清掃にも多くの労力が必要だ。同展示会では表面をショットブラスト加工や、特殊コーティングを施すことで滑り性などをよくする技術提案がいくつかなされていた。旭プレシジョン(京都府向日市)ではユーザー手持ちの器を預かって加工処理するパターンも多いという。同社担当は「家庭のザル一個からでも対応する」と笑った。
ほかにも殺菌、消臭、清浄などに絡む出品物が多く見られた。金属の精密薄板加工を行う最上インクスは複雑なフィンを出品。食品加工場(調理場)の多くで課題となっている熱対策を提案した。「作業環境を良くするとともに、熱による経年劣化が懸念されるパッキン材等の寿命を伸ばす」と話す。
(日本物流新聞2024年12月10日号掲載)