ギヤ加工ソリューションにシナジー活用
TAKISAWAは10月17日、ニデックマシンツールの歯車加工技術を活用したCNC旋盤と複合加工機を発表した。
新製品の複合CNC旋盤「TS―4000ⅡYS」は、海外で人気が高い「TSシリーズ」のフルモデルチェンジ機。タレットタイプで、旋削、切削、面取り等、歯車の製造工程を1台で行える。主軸冷却の最適化や新型モーター採用による熱対策、ベッドの形状や刃物台の構造の見直しにより剛性を高めた。モジュール設計による豊富なラインナップで、幅広いユーザーニーズに対応する。
また、NC操作盤の画面を15インチに拡大し、高さも選択できるなど、使いやすさを追求。ホブ加工専用のソフトウェアは、ワーク諸元やカッタ仕様、加工条件を入力するとプログラムを自動作成。各項目をグラフィカルな案内図を見ながら直感的に入力でき、「初めてホブ加工するお客様でも簡単に操作できる」(同社)
JIMTOFでは外径歯車加工とスプラインのホブ加工を披露する。価格は2400万円(税別)で年間販売予定台数は40台。
新機能を追加したB軸付複合加工機「TMX―4000ⅡST」も同時発表した。片持ちホブカッタによるホブ加工技術とギヤスカイビング加工(内・外径)技術などマルチギヤ加工に対応し、歯車加工の工程集約を担う。ソフトウェアもスカイビング、ホブ加工の両方が出来る仕様とした。「複合CNC旋盤よりも複雑な加工ができ、さらに多品種少量生産のユーザーに向けて強く訴求したい製品」(TAKISAWA常務執行役員三宅成人技術本部長)
新機能を追加したTAKISAWAのB軸付複合加工機「TMX-4000ⅡST」はホブ加工とスカイビング加工が可能
同社の原田一八社長は「海外における売上伸長がこれからの目標。複合加工機や複合CNC旋盤で歯車加工に必要な高い剛性と精度を出せる点をアピールしていく。ニデックグループとして新たな市場や販路にアピールしていけるのがシナジー」と語った。
■より生産性と精度高める専用機も
ニデックマシンツールは16日、歯車研削盤「ZFA260」を発表。新開発のツインテーブル構造採用と高速旋削動作により非加工時間を短縮し、振動や熱を抑制する熱安定性材料(ミネラルキャスト)採用により精度の安定性を確保。同時発表の「ZI25A」は遊星歯車機構に用いる内歯車を、高速・高精度に仕上げる内歯車研削盤。ワークの最大外径を200㍉メートルから250㍉メートルに拡張した。熱処理後のひずみを除去するための研削を高精度・高能率・低コストで行える。
TAKISAWAの原田一八社長
(日本物流新聞2024年10月25日号掲載)